第四十二話 妹達の誤解その十四
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「お茶にお菓子も食べてね」
「はい、それじゃあ」
「遠慮はいらないから、というか」
見ればです、阿波野君は。
「お菓子食べてないわね」
「はい」
「遠慮しなくていいのよ」
「遠慮っていいますか」
阿波野君は私に少し真剣なお顔になって言ってきました。
「図々しいみたいで」
「図々しいって」
「いえ、お邪魔させてもらって」
そしてというのです。
「お菓子までなんて」
「いや、お菓子って」
「頂くのは図々しいって思いますから」
「何でそこで遠慮するのよ」
「これが遠慮ですか」
「そうよ、この教会ではそういうのいいから」
遠慮は無用です、といいますか阿波野君が図々しいとかそういうのを遠慮するなんて思いも寄りませんでした。
「好きなだけ食べてね」
「そうですか」
「というか阿波野君図々しいの嫌いなの」
「親戚でそういう人何人かいまして」
それでというのです。
「見ていて嫌になったんで」
「だからなのね」
「はい、そういう人達みたいになりたくないんです」
「そうした人を見て自分はなるまいって思って」
「そうしたことはしたくないって思ってます」
図々しい行動はというのです。
「僕としては」
「そうなのね」
「はい、礼儀作法でもありますよね」
阿波野君はこちらからも言ってきました。
「図々しいのは本当に好きじゃないんです」
「そういう割には私には随分言うわね、けれど」
言われてみればです、阿波野君とは春から毎日みたいに会ってよくお話もしてますが。
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