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ヘタリア大帝国
46部分:TURN5 中帝国その三
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TURN5 中帝国その三

 だがそれでもだ。山下はこう言うのだった。
「しかしだ。惑星の占領はだ」
「ああ、それ本当に頼むんだぜ」
「陸軍さんあってのことですからね」
「会戦で勝利した後は任せろ」
 その手にしている日本刀に手をかけつつだ。山下は二人に答える。
「陸軍は必ず占領する」
「そうそう。海軍が幾ら勝ってもそれだけじゃ駄目なんだぜ」
「ですから私達の後はお願いします」
「任せてもらおう。ではだ」
 ここまで話してだ。山下は二人に対して大きく頷きだ。それからだった。
 己の後ろに控える陸軍の軍服の者達にだ。こう告げたのだった。
「では丁度昼になった。ではだ」
「はい。食事ですね」
「昼食ですね」
「そうだ。今のうちに食べておくぞ」
 こう部下達に告げるのだった。
「ではいいな」
「はい、それでは今より」
「食事かかります」
 こうしてだ。陸軍の面々は食事に入った。食堂でのその食事を見てだ。
 台湾はだ。こう山下に尋ねたのだった。
「あの、前から思っていたのですが」
「何だ、一体」
「これは日本帝国だけの様ですが」
「我が国だけというのか」
「はい、そもそも海軍さんと陸軍さんに分かれていますね」
「そうだな」
 これは日本帝国の特徴だった。日本帝国は軍は海軍と陸軍に分かれているのだ。宇宙空間での戦闘を行う陸軍と惑星での戦闘を行う陸軍の二つがあるのだ。
「それがどうかしたのか」
「食事も違うのですが」
 見れば山下も陸軍の将兵達も白米にだ。焼き魚、漬物や味噌汁といったものしかない。実に質素だ。
 そうした食事を見てだ。台湾は言うのだった。
「それはどうしてでしょうか」
「陸軍は質実剛健なのだ」
 山下は厳しい声で台湾の問いに答える。
「だからなのだ」
「それ故にですか」
「武人たる者食べるものに贅沢なぞしてはならないのだ」
「それで白米にですか」
「栄養は充分に考えてある」
 その魚、漬物、味噌汁だけでだというのだ。
「脚気等やその他のビタミン、タンパク質の不足に陥ることもない」
「しかしこれはまた」
「陸軍とは海軍とは違うのだ」
 少しきっとしてだ。山下は台湾に述べた。
「華美なぞ忌ましむべきものだ。これが武人の本来の食事なのだ」
「ですか」
「最近海軍は特に華美に過ぎる」
 山下はここで海軍批判に入った。
「それでは武人として堕落だ。許してはならない」
「左様ですか」
「食事も日々の生活もだ」
 見れば誰もがキビキビとして食事を摂っている。山下も背筋を伸ばしている。
「常に襟を正すのが陸軍だ」
「はい、それは私も知っていますが」
 台湾にしてもついこの前まで陸軍にいた。ならば当然のことだった。
「ではこれからもですね」
「陸軍は陸
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