暁 〜小説投稿サイト〜
レインボークラウン
第四百八十九話

[8]前話 [2]次話
               第四百八十九話  朝に
 朝になるとだ、華奈子は気持ちよく起きてだった。ベッドから出てそのうえで自分が寝ていた二段ベッドの上の段の美奈子に言った。
「美奈子起きてる?」
「今起きたところよ」
 餓えのベッドからこう返事が来た。
「丁度ね」
「同じ時位に起きたのね」
「そうみたいね、ただね」
「ただ?」
「私はちょっとまだ」
「起きられないの?」
「身体が起きてない感じよ」
 頭が起きてきてもというのだ。
「だからちょっと待ってね」
「美奈子っていつも寝起きは今一つよね」
「そこは華奈子と違うのよね」
「そうよね、あたしは寝起きはよくて」
 華奈子は美奈子がベッドからゆっくりと起き上がるのを見た、ベッドから少し離れるとその状況がよく見えた。
「その代わり普段はお寝坊さんで」
「私は寝坊はあまりしないけれど」
「寝起きがね」
「今一つなの」
「そこが違うわね」
「ええ、双子の姉妹でもね」
 それでもとだ、美奈子はゆっくりとベッドの梯子に手と足をやりつつ言った。
「そこが違うわね」
「そうよね、何かね」
「何かって?」
「双子でも違うところってあるわね」
 しみじみとした口調での言葉だった。
「どうにも」
「そうね、朝でもそうね」
「いや、朝起きて」
 梯子を使って降りつつの言葉だ。
「とにかく寝起きが大変よ」
「寝坊はしなくても」
「中々エンジンがかからない感じよ」
「そろそろかかった?」
「そうみたい」
 華奈子の横に来た、華奈子は上下共赤いパジャマ姿で美奈子は紫だ。色は違うがデザインは同じである。
「ちょっとずつだけれど」
「じゃあ今からね」
「ええ、おトイレ行って」
「タロとライゾウに御飯あげて」
「タミーノとフィガロに御飯あげて」
 それぞれの使い魔達にというのだ。
「そうしてね」
「あたし達も朝御飯食べましょう」
 こう二人で話してだ、そうして一日をはじめるのだった。


第四百八十九話   完


                   2017・10・15
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ