第10話 魅せられる英雄
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川神学園弓道部。
そこは昔から常に団体・個人戦問わず上位に君臨して来た強豪弓道部の一つである。
ただ二年前から事情が変わり、今年で三年生となり副部長も務める衛宮士郎と、今年で二年生となった椎名京の2人の指導や協力の影響と存在により、男女団体・個人戦問わず一位に陣取り、2人以外の個人戦でも最上位に食い込むことが多くなった黄金時代となっている。
その川神学園弓道部に大きく貢献した現副部長――――衛宮士郎は、百代の諸事情により久々に、そして暫くの間最初から放課後は弓道部で汗を流せる事になった。
とは言っても入部する前から超人である為、部活動程度では汗など流した事は無いが。
その士郎は後輩たちへの指導がひと段落着いたので、今現在皆から少し離れた所で1人正座をして瞑想中である。
「・・・・・・・・・・・・」
それを遠巻きで見ている一部の女子弓道部員達がときめいていた。
「はぁ〜、いつ見ても瞑想中の衛宮先輩は凛々しいわぁ〜」
「いつもの厳しくも優しい衛宮先輩もいいんだけど、あの瞳を閉じている尊顔も良いわよね〜」
ただし小声で。
弓道は他の武道の部活などとは違い、あまりワイワイガヤガヤやるものではないし、すると叱責されるのは承知済みだからだ。
ただ一部からは士郎に叱責される事が密かな快感と認識されている様だが。
「話は変わるけど、如何して衛宮先輩ったら“天下五弓”じゃないのかしら?」
「ね?だって、椎名さんよりも凄いのに変な話よね〜」
「・・・・・・・・・」
それを少し離れた所で偶々聞いていた弓道部部長の矢場弓子。
彼女はその理由を知る1人だ。
以前百代に説明するために京が、天下五弓の称号を蹴ったと言う話だが、事実は違う。
当日、天下五弓の称号の一席を士郎に頂いてもらおうと自宅に赴いた時、たまたま雷画がいて、些細な事で大げんかに発展して暫くの間2人は距離を取る事になり、そのまま天下五弓の話は有耶無耶になったと言う訳だ。
2人の中が漸く元通りになった後日には既に天下五弓の座が既に埋まっていたので、そのまま士郎には称号無しのままとなったのだ。本人も称号に興味関心を持っていなかった事も理由の一つだが。
その代わり――――と言うのも大げさであまり大っぴらに言えないが、半年ほど前に弓道部員達が勝手に士郎にある称号を付けている。
付けられた当人たる士郎は、自分はそんな大したもんじゃないと遠慮したそうだが、周囲がそんな事は無いと凄い勢いだ否定して来られたので渋々受け入れたらしい。
その称号の名は――――。
「!」
「え!?」
「衛宮先輩!?」
突然目を見開き素早く立ち上がる士郎に、周囲は何事かと焦る。
士郎が瞑想を終える時は基本的に射法八節と
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