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そうだ、つまらない話をしてあげよう
とある辺境の城に住むお姫様
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昔々のお話さ。

辺境の古城に とても美しいと評判のお姫様が住んでいたそうなんだ。
その評判を聞きつけて毎日にたくさんの男達が美しいお姫様目当てに、求婚しに訪れたのだけどね。

城は囲むは堅固な城壁。
誰も城内へと足を踏み入れることができなかった。

男達は次々と城壁を超えに挑み、そして敗れ去っていった。

でも不可能であればあるほど恋は燃え上がるもの。そうだろう?
城に訪れた男達もそうだった。訪れる者の数は一向に減るどころか増える一方で。

『この苦戦を越えた者が 絶世の美女と結ばれる』

そんな噂まで広がる程、この城は大人気スポットとなってしまってね。
我こそは美女を射止めんという、男達が後を絶たなかったそうだよ。

さて……。
たくさんの挑戦者でにぎわう城壁の内側ではね、とうのお姫様が頭を抱えているようでね?

「ああ なぜこんなことに……」

ピンク一色の白いフリルや動物のぬいぐるみが可愛いらしいまさに女の子の部屋で、可愛いらしい紫色の髪と瞳をしたお姫様が可愛い顔を手のひらで覆い隠して泣いていたよ。

なぜかって? それはね。
誰かの些細ないたずらと思って放置してうわさが独り歩きしてしまって、気づけは膨らみに膨らんで、彼女の評判は現実の彼女とはかけ離れたものへとなってしまった、と大粒の涙を流がしているんだよ。

「そりゃ確かに……このうわさをきっかけに殿方との出会いがあって……
 男性への苦手意識を 克服できればなんて思いもしらけれど……
 絶世の美女なんて 実際のわたしと違いすぎるよぉ……」

絶世の美女だのなんだの言われているお姫様だったけど、その正体は内気で恥ずかしがりやな普通の女の子だったんだ。






                         





そう言い終えるとお爺さんはそっと開いた分厚い本を閉じたわ。
「……それで?」
この話にまったく興味なんてなかったはずなのにどうしてなのか、私はお爺さんに聞いてしまったわ。この話の続きはないのかと――これで物語は終わりなのかしら、と。
案の定お爺さんはニヤリと嬉しそうな笑みを浮かべて
「やっぱり君はもうわたしの話すつまらない話の虜となってしまっているようだね?」
と、返してきたその言葉に私は何も言い返すことが出来なかった。
だってこのお姫様がどうなったのか、気にならなくもないから。
だってこんな中途半端なところで終わられたら気持ちが悪くてしょうがないわ。
と、お爺さんに訴えてみたのだけど
「残念だけど、娘の書いたお話はここまでさ」
そう言いながらお爺さんは分厚い本をパラパラとめくり中を見せた、文字が書かれているのは少しだけ、後の紙は全部真っ白。
「つまらない」
自然
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