ペルソナ3
1890話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たくなった……という訳でもないが、そのゆかりの言葉に俺は何と答えるべきか迷う。
「どうするって言われてもな。俺がやるべき事はもうやったし、桐条も警告した。これでもまだどうしようもないままなら、それこそ桐条の方で何か手を打つしかないだろうな」
桐条から聞いた話だと、幾月はああ見えて影時間について研究している研究者の中でも、かなりの実力を持っているらしい。
であれば、いざとなればペルソナを封じるような手段を持っている可能性は、決して否定出来ない。
だとすれば、下手に順平が暴走しようものなら、ペルソナを封じる……という手段が使える可能性もある。
まぁ、実際に聞いた訳ではないので、本当にそんな方法があるのかどうかは、俺にも分からないが。
それに、本当に最後の手段として、鵬法璽もあるし。
これは、あまり使いたくない代物なんだけどな。
「順平も、去年はあんなに馬鹿な事を言うようには見えなかったんだけど」
「まぁ、な」
俺と順平が会ったのは、当然のように俺がこの世界に来てからだ。
しかも、実はゆかりよりも前、それこそ本当に俺がこの世界に来た瞬間に遭遇したと言ってもいい。
そういう意味では、俺がこうしてゆかりと一緒に行動しているというのは、色々と偶然が積み重なった結果なんだよな。
もしあの日、ゆかりが影時間の適性を得なければ……そして順平が影時間の適性を得ていれば、今とは全く違った組み分けとなっていただろう。
あー……でも順平の性格を考えれば、俺と一緒に行動している時も自分が特別な、選ばれた存在であると認識していてもおかしくはないのか。
そうなればそうなったで、色々と面倒な事になっていた可能性もある。
「俺はお前が俺の近くにいてくれて良かったと思ってるよ」
「ちょっ!? い、いきなり何を言ってるのよ!? 馬鹿じゃない!? てか、馬鹿じゃない!?」
何故か顔を真っ赤に染めたゆかりが、俺の方を見て罵倒してくる。
……何かおかしな事を言ったか?
そんな疑問を抱くが、ゆかりが顔を真っ赤にしているという事は、恐らくゆかりにとっては恥ずかしい言葉を口にしてしまったのだろう。
「はぁー、はぁー、はぁー……全くもう、いい加減にしなさいよ? 私じゃなかったら、そろそろ刺されててもおかしくないんだから」
「いきなり怖い事を言うなよ」
「アクセルのせいでしょうが! ……ああ、ごめんなさい。君に怒った訳じゃないから」
ゆかりの怒声に、ドッグフードを食べ終わっていた犬が驚いたように視線を向けてくる。
そんな犬に向けて軽く言葉を掛けた後、ゆかりは改めてこちらに視線を向けてくる。
「それで、今日はどうするの?」
「今日?」
「そうよ。タルタロス、行くの?」
「あー、なるほど。…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ