ペルソナ3
1890話
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、こうしてゆかりと一緒に犬がドッグフードを食べる光景を眺めつつ、空間倉庫からシュークリームを取り出す。
巌戸台駅からそれ程離れていない場所にあるパン屋で買ったシュークリームだ。
……正直、ケーキ屋じゃなくてパン屋にシュークリームがあるというのは、疑問を感じないではないが。
それでも、和菓子店やおにぎり屋がシュークリームを売ってるよりは、違和感がないだろう。
パン屋でちょうど出来たてのシュークリームを見つけたので、ある程度纏め買いしたうちの1つをゆかりに、もう1つを自分用にと食べる準備をする。
「ありがと。……美味しいわね」
シュークリームを一口食べ、ゆかりの口から感嘆の声が漏れた。
出来たてだけあって、生地はサクッとした食感が残っており、クリームも生クリームとカスタードクリームが半分ずつ、たっぷりと入っていた。
これがスーパーとかで売ってるシュークリームだと、クリームはともかく、生地はフニャリとした食感なんだよな。
美味さの持続時間とでも言うべきものが、シュークリームは短いのだ。
この美味さを味わえるのは、運のいい奴だけだろう。
「うん、かなり美味いな。……それにしても、良かったのか?」
「何が?」
「いや、俺が使っている魔法……ネギま世界についての魔法を覚えなくて」
俺の持つ能力の1つ、魔法。
桐条達のいる前では、結局ゆかりは魔法を覚えるのを固辞した。
桐条達は、俺が使っている魔法はこの世界に前からあったものでは、単純に自分達が知らなかった技術だと判断している。
だが、ゆかりは違う。
俺が異世界からやって来た事を知っているゆかりにとって、魔法というのは文字通り別世界の技術とでも呼ぶべきものなのだ。
そして、ゆかりが俺の使っている魔法に多少なりとも興味を持っているというのは、一緒に行動している俺は当然のように知っている。
そんなゆかりだけに、まさか魔法を習得しないという選択肢を取るとは、思っていなかったのだ。
「ああ、その事? まぁ、興味がないって言ったら嘘になるけど……正直、今のところはそんな余裕はないでしょ?」
「時間に関しては問題ないと思うが?」
生徒会室でも言ったように、現在ゆかりが自分を鍛えるという意味では、やるべき事はもう殆どないのだ。
それこそ、俺との模擬戦とか……そのくらいだろう。
「時間は、ね。それに、弓を持っていると魔法を使いにくいというのは間違いのない事実なのよ。それこそ、召喚器がなければ、もう少し話は違ってくるかもしれないけど」
そう言ってくるゆかりの表情には、多少の残念さはあっても、やりたい事を無理に我慢しているといった様子はない。
「それより、アクセルこそ。……順平の件、どうするの?」
話題を変え
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