第二章
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「けれどね」
「妖怪とかはなんだ」
「信じないから」
それでといだ、果補は裕介にさばさばとした調子で答えた。
「日曜の朝にね」
「ここに来てなんだ」
「ちょっと見てね」
「それで見なかったらなんだ」
「それで終わりってことで」
「あっさりしてるね」
「私いないと思ってるし」
最初からそうだというのだ。
「だからね」
「それ位でいいんだ」
「ええ、本当にね」
「ううん、そう言われると僕もね」
裕介はどう見ても見られるとは最初から思っていない果補にどうかという声で応えた。
「どうかって思うけれど」
「見ようとすること自体はするから」
「じゃあ一緒に行こうね」
「日曜の朝ね」
「僕も部活に行くしね」
「卓球部によね」
「ええ、そこにね」
まさにとだ、二人で話してだった。その淀川に出る人魚見ると幸運が訪れるという人魚を見に日曜の朝は早く出た。
そうして淀川を見た、関西最大の川だけあって幅もかなりのものだ、しかしそこに人魚らしくものは見えず。
果補は冷めた目でだ、隣にいる裕介に言った。
「やっぱりね」
「いないっていうんだね」
「鯉や草魚はいるでしょ」
こうした大きな魚はというのだ。
「もう早速釣りはじめてる人もいるし」
「釣りは朝だからね」
見れば川のほとりにそうした人がいて楽しんでいる。
「いるね」
「そうした人もいるけれど」
「人魚はだね」
「そんなのいる筈ないじゃない」
この朝もこう言う果補だった。
「そもそも、だから結局ね今の私はね」
「運をプラスさせるんじゃなくて」
「努力を続けるしかないってこと?」
結局はというのだ。
「勉強もテニスも」
「どっちもだね」
「そう、やってくしかないのよ」
「今はスランプでも」
「そういうことよ」
暫く苦しい状況が続くと思いつつだ、果補は裕介に言った。
「現実問題としてね」
「ううん、じゃあ」
「行きましょう、学校」
果補の口調はさばさばとさえしていた。
「そうしてね」
「部活に出てそうして」
「一緒に帰りましょう」
実にさばさばとしたままの果補だった、そうして二人は実際にそれぞれの部活に出て昼食は一緒に食べてだった。
夕方部活が終わると二人で待ち合わせをして一緒に帰った。そしてそのうえで淀川の傍を歩くのだが。
果補はこの時も淀川を見て裕介に言った。
「人魚のことだけれど」
「ああ、朝の」
「若し本当にいたらね」
「うん、今だってだね」
「見られるかもね」
信じていないがふと思ってこう言ったのだ。
「ひょっとしたらね」
「まあ噂だからね」
「いるって話も」
「そう、何か身体はお魚でね」
「腰から下がよね」
「いやいや、それは海の人魚でね」
裕介は人魚
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