第5章:幽世と魔導師
第135話「京での戦い・後」
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「…人は大抵ああいうものだって椿も言ってたね…」
特に、平和ともなった今なら尚更との事。
…否定できない現実を見ちゃったなぁ…。
「(…まぁ、それはともかく)」
一応、これで誰かを守る必要はなくなった。
それと、気づいた事もあった。
「人手が足りなかった方角。こっちから妖が来てない?」
「……言われれば、そうだね」
「どういうことかしら?」
そう。クロノが言っていた人手が足りていない方面から妖は来ている傾向があった。
……そして、これが意味するのは、多分…。
「…こっちに、幽世の門があるのかもね」
「葵さんが言っていた、京都の…?」
「多分だけどね」
優輝達が戦っている三体の内二体の妖は、強力故に別々の“祠”を持っているらしい。
橋姫も守護者の一体ではあるけど、それとは別にもう一つ存在しているとの事。
だから、例え倒して幽世の門を閉じた所で、京都の妖はいなくならない。
京都にはもう一つ幽世の門が別に存在していると、転移した後に葵からの念話でそう伝えられた。…と言っても、その門を閉じた所で大門がある限りあまり意味はないけどね。
「どうする?閉じに行く?」
「一応、封印の術も教わってるから可能だけど…」
アリサもすずかも、“自分たちにできるのか”と言う不安があるようだ。
かく言う私もできるのかわからないけどね。守護者がどれほどか分からないし。
「どの道、ここら一帯は散策するよ。逃げ遅れてる人が他にもいるんだから」
「……そうね」
「…言ってる傍から妖が来たよ」
「とにかく妖を倒しながら進むよ!体力はなるべく温存しておいて!」
いざと言う時はクロノとかが助けに来るだろう。
でも、そうなると状況把握が追いつかなくなる。
…ここは、何とか私達だけでやり切らないとね。
=優輝side=
「ォオオオオオン!!」
―――“九重”
「っ………!!」
硬化した尻尾から繰り出される連撃を躱し続ける。
総合的に見れば玉藻前は僕の力を大きく上回っているだろう。
だけど、二つの点においては僕に大きく劣っている。
その二つの点は、戦闘技術と臨機応変さ。
…それらだけで、僕は玉藻前を一人でも倒す事は可能だ。
―――“九十九雨”
―――“黒天矢”
「甘い」
霊力の矢による雨が僕に襲い掛かる。しかし、僕相手にそれは悪手だ。
防ぎきれないのをリヒトで弾きつつ、一気に玉藻前に肉迫する。
「はっ!!」
「ッゥウ!?」
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