第5章:幽世と魔導師
第135話「京での戦い・後」
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サが攻撃を喰らわないように、いつでもアリサの周りに障壁を張れるように構えていた。
「ふっ!…はぁっ!」
私もアリサに追従し、アリサが一般人を助けた所で私が御札で障壁を張る。
これで安全をある程度確保できたので、心置きなく妖を倒せる。
障壁の前に来た私は同時に弓を構えて、一気に妖を貫く矢を射た。
「アリサ、ここらの妖を一掃するよ!」
「分かったわ!」
私は弓を、アリサは刀を構えて矢と斬撃を放つ。
逃げ遅れた人を庇うように立ち回る必要があるが、そこまで不便はない。
…でも、問題なのは…。
「(どこに避難させるべきなの…?)」
そう。学校と違って安全な場所がない。
だから守り続けないといつ危険に晒されるか分からない。
「っ、アリシア!」
「…!っと…!」
少し思考してしまったのか、妖に接近を許してしまう。
けど、そこは優輝達の特訓の賜物。即座に武器を刀に変え、攻撃を受け止めた。
「くっ……!はっ!」
―――“氷柱”
するとそこへ、すずかが後退しながらこっちへとやってきた。
すずかも妖に襲われていたみたいで、ここまで来たらしい。今術で仕留めたけど。
「…二人共、気づいたかしら…?…あたしたち、護り続ける必要があるわ」
「……安全な場所がないのは辛いね…」
アリサとすずかも私が考えていた事に気づいていたらしい。
「…でも、その事だけど…街の中心部は比較的安全だよ」
「そうなの?」
「うん。さっき屋根に上った時に妖が少ないのを確認したよ」
どうやら、すずか曰く街の中心なら比較的安全との事。
…そっか。中心地となれば警察や陰陽師も集まってるもんね。
「よし、そうと決まれば…!」
「まずは妖を一掃してから…ねっ!」
―――“火焔地獄”
アリサが炎の霊術で妖を一掃する。
ただし、火事にならないように火力を抑えたため、討ち漏らしは私達で仕留める。
「早く街の中心の方へ!そちらの方が比較的安全です!」
「ぇ、あ、ああ……」
助けた人達は、恐怖と驚愕と疑問を織り交ぜたような表情をしていた。
…まぁ、目の前で信じられない事が立て続けに起こってればね…。
「アリサ!」
「ええ!」
ギィイイン!
「ひっ!?」
混乱しているのか未だ逃げない人達を庇うように襲ってきた妖の攻撃を防ぐ。
「う、うわぁあああああっ!?」
「………」
再び襲ってきた化け物に恐れ戦き、形振り構わず逃げていった。
「ちょ、逃げるように言ったのはあたし達だけど、助けられておいて見捨てるように逃げるなんて…!」
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