第5章:幽世と魔導師
第135話「京での戦い・後」
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”と、俺の手に握られたモノが重さを主張する。
まるで岩を削りだしたような大きな斧剣。
それを俺は構える。
「……まだ未熟で、これを扱うレベルですらないかもしれないが…」
―――全行程投影完了
いくらあいつに鍛えられたとはいえ、まだまだ付け焼刃。
そんな俺が、振るうに値するとは思えない。
だけど、この技はそれでも目の前に迫る鬼を屠り切る…!!
「この絶技、耐えきれるか!?」
―――“是、射殺す百頭”
一息で放たれた九つの斬撃が、鬼を切り裂いた。
=アリシアside=
「……そろそろ、行ってくるね」
「はい。…ご武運を」
蓮さんに付きっ切りだった私は、急いでクロノ達の場所へと戻る。
蓮さんについていた頃、私はずっと浄化系の霊術を使っていた。
おかげで、蓮さんは喋れる程にまでしっかりと回復できた。
それでも、まだ動くには休息が必要みたい。
…もう少し浄化系の術を練習しておくべきだったかな…。
「(状況は結構まずい。…と言うよりは、人手が足りない)」
医務室にも現場の映像は映っていた。
…多分、クロノ辺りが気を利かせてくれたんだと思う。
おかげで大体の状況は把握している。
…しているからこそ、人手が足りていないと確信していた。
「クロノ!状況は大丈夫!?」
「アリシア!…もういいのか?」
「うん。後は自然に回復を待つだけだから」
管制室に行くと、クロノやアリサ、すずかが現場の映像を見続けていた。
「(この場に残っているのは私達霊術組とクロノだけ…後は一部の戦闘部隊か…)」
やっぱり、人手不足だろう。
待機している戦闘部隊は動かせるけど、それでは不測の事態に対応できない。
ママも普段は待機している所だけど、現在は他の任務に同行中。
任務自体は終わっているけど、到着まで時間が掛かっているみたい。
そこら辺はユーノや優輝の両親と同じだね。
「クロノ。私達にできる事、ない?」
「……あるにはある。…が、それは管理局員として許可し難い事だ」
クロノは私達を見ながらそういう。
…クロノは許可し難いと言ったけど、打開できるのも私達だけだ。
「でも、それだと住民の被害が増えるばかりだよ?」
「……分かっている。わかってはいるが…」
「…きっと、優輝はこの時のために私達を鍛えてきたんだと思う。せっかく力を手に入れたのに、活用しない手はないよクロノ!」
クロノは、多分管理局員として魔法を使えない私達に戦闘をさせたくないのだろう。
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