第139話
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きの表情をした娘―――ファラ・エルステッドの問いかけにレイスが苦笑している中キールは疲れた表情で指摘し、キールの指摘を聞いたメルディは不思議そうな表情で首を傾げた。
「もう、お兄様ったら……自分が王族である事を”一応”と仰るなんて、まだ身分を隠してご自分の見聞を広めていた旅行時代の気分がぬけていらっしゃらないのではないですか?」
「ハハ、実際その通りだから耳が痛い指摘だね。」
(それを言ったら、ルークもそうなるよな?)
(そうね……元の世界では王族で、更に爵位も持っていたのだから。)
(うっせ。今生きている世界だと俺はただの平民だから、今更ナタリアのような王族や貴族みたいな丁寧な口調や態度に直せないっつーの。)
「え……レイスはそっちの世界でも身分を隠していたの……じゃなかった!レイシス王子はそちらの世界でも身分を隠して、旅をしていたのですか……?」
呆れた表情で溜息を吐いたクローゼの指摘にレイスが苦笑している中小声で会話していたガイとティアの会話が聞こえていたルークは疲れた表情で指摘し、ファラはクローゼのある事を訊ねようとしたが、クローゼが王族である事をすぐに思い出して丁寧な言葉に言い直して訊ねた。
「ふふっ、私が王女だからと言って、私に対する口調や態度を直す必要はありませんよ。どうか私の事はレイシスお兄様のように、”クローゼ”と呼んで下さい。」
「勿論私に対する口調や態度も今まで通りで構わないよ。”レイス”は偽りの名ではあったが……君達からもそうだが、今の仲間達からもそう呼ばれているから、”レイシス”と呼ばれるよりもしっくりくるんだ。」
ファラが口調を直した理由を悟ったクローゼは微笑みながら指摘し、クローゼに続くようにレイスも苦笑しながら指摘した。
「………わかったわ。えっと……さっきの話の続きだけど、私達の世界でのレイスの本当の身分は”元老騎士”っていう身分で、私達の国―――”インフェリア王国”の騎士であり、貴族でもあったの。それで私達が会った時のレイスは商人を名乗っていたんだ。」
「……ちなみにその男は”王国一の騎士”と謳われている程の凄腕としても、王国でも名高い存在だったのさ。」
「まあ……ふふっ、お兄様の過去について後で色々と伺ってもよろしいでしょうか?」
ファラとキールの説明を聞いたクローゼは目を丸くした後微笑みながらファラに訊ね
「うん、私でよければいいよ!」
「ハハ、早速仲良くなって何よりだ。――――さてと。聞くのが遅くなったが……ファラ、キール。今回の件の解決の為にどうか君達の力を貸してもらえないだろうか?」
クローゼとファラの様子を微笑ましそうに見守っていたレイスは表情を引き締めてファラとレイスに訊ねた。
「ふふっ、水臭
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