第三十三話 同盟も慌ただしい10月
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10月13日
■自由惑星同盟ハイネセンポリス 最高評議会 最高評議会議長 ディオニシオ・エンリケス
フェザーンの高等弁務官フォンテーヌから一度目の連絡があり、
帝国が対話を求めていると聞き、委員達を集め評議した結果、
提案内容が何かを聞くようにと言うまで3時間もかかるとはな。
命令を出して2時間、フォンテーヌより帝国からの提案が知らされたとき、
我々は驚きを持って其れを聞いた。
帝国が捕虜交換を求めている、それ自体は以前にも何度もあった。
しかし今回は100万単位での交換だと言う、
僅か一月前にイゼルローンで80万近い戦死者をだした為、
我々の支持率は低下気味だが、此処で4月までに100万の捕虜が帰還できるなら支持率だけでなく家族も含めて200万票以上の票が計算できる。
財務委員長などは『捕虜には只で喰わさないと成らないが、
市民なら逆に税を納めてくれる』と積極的だ。
国防委員長も『軍の再建に帰還兵が使える』と賛成のようだ。
他の委員も自分の支持率のUPにつながるならと賛成の意向だ。
評決を取ることなく賛成で終わりそうだ。
もう一つの皇帝からの救恤品の下賜とは何が起こったのか、
フォンテーヌによれば皇帝の慈悲らしいが、帝国はよく判らない国だ。
此についても財務委員長は『財源を掛けずに済む』と言う。
情報交通委員長だけは、『各収容所に配るのに時間がかかり混乱が生じるのではないか』と言う、
国防委員長は『先に捕虜交換では駄目なのか』と言うが、勅命では変える事はできんだろう。
他の委員の反対はないようだ。
そうしていると人的資源委員長から、『我が軍の捕虜に救恤品を送らないのか』と提案が出た。
国防委員長が『帝国に送っても兵には届かんよ』と言う。
理由を訪ねると『皆途中で貴族共に搾取されてしまうようだ』とのこと。
財務委員長が『予算的にみすみす届かない物に掛ける予算は出せない』と言う。
此は反対意見が多いので却下だな。
帝国は捕虜交換をイゼルローン或いはエル・ファシルでで行いたいと言うが、
イゼルローンでは行った瞬間トールハンマーで焼かれるのではという罠説が多く
エル・ファシルでの交換を強く求めようと委員会で議決を行った。
宇宙暦787年10月14日 帝国暦478年10月14日
■フェザーン 自由惑星同盟高等弁務官オフィス ラファエル・ラ・フォンテーヌ
ハイネセンからの帝国による提案受諾の連絡があり早速シューレンブルク伯へ連絡を取った。
「これはシューレンブルク伯、今日は良い天気ですな」
「誠に良い天気です、其れですと受諾できましたかな」
「自由惑星同盟政府は帝国の捕虜交換と救恤品について受諾します、
尚受け渡し場所はエル・ファ
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