第三十三話 同盟も慌ただしい10月
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接指摘された事じゃ必ず救恤品が先、俘虜交換が後じゃ、
受け渡しはイゼルローンかエル・ファシルじゃ。シューレンブルク伯よいな」
「リヒテンラーデ侯、陛下はなぜこのような事を」
「陛下の思し召しじゃ」
「御意」
宇宙暦787年10月13日 帝国暦478年10月13日
■フェザーン 自由惑星同盟高等弁務官オフィス ラファエル・ラ・フォンテーヌ
昨日突然帝国の高等弁務官事務所から、会談を持ちたいとの連絡があった、
不倶戴天の敵であるが、以前サイオキシン麻薬摘発では共同行動を取った事もあり、
政府に連絡を入れ指示を待った。
数時間後やっと政府から会談せよとの命令が下った。
秘匿回線のホットラインで話し始めるシューレンブルク伯の提案内容は驚愕を持つ物であった。
「恐れ多い事なれど皇帝陛下は敢闘むなしく、
貴勢力によって囚われの身となっている我が臣民全員に、
格別なる慈悲を持って救恤品を下賜なさるとの思し召しでございます」
何だと、帝国は捕虜になった者は忘恩の徒として処罰していたのではないのか、
いきなりのこの仕打ちはどんな変化なのだ。
「なるほど、其れを政府に伝えて欲しいという訳ですな」
「左様、恐れ多くも皇帝陛下が臣民の苦しみをお聞きになり、哀れに思いお手を差し伸べられたのです
、その為其方に囚われている臣民の詳しいリストをお願いしたいのです」
ふん民衆を搾取してるのがお前らだろう。
「更にその臣民達を帝国へ帰還させよとの思し召しで御座いましてな」
捕虜を帰せと言うのか、只帰すだけではなく此方も帰して貰わないと。
「しかし只帰せと言ってもそう旨くは纏まりません」
「帝国の臣民100万を其方が返還して頂けるなら、
帝国が捕らえている其方の将兵100万を返還いたします」
うむ捕虜交換という訳か、先頃の第四次イゼルローン攻略の失敗で軍は80万近い戦死者を出している、
帰還兵全員が復帰する訳では無いが100万は魅力的だ、しかし自分の一存では出来ない其れが民主共和制だ、ハイネセンに連絡し指示を受けよう。
「ただ第1に救恤品の下賜此は来年1月までに下賜して頂きたい、
其れが臣民に行き渡って身支度が出来たら4月までに返還をお願いしたい、
返還場所はイゼルローン或いはエル・ファシルでお願いしたい、
此は皇帝陛下の勅命ですので変える訳にはいきませんのじゃ」
「シューレンブルク伯、非常に魅力的なご提案ですが、
政府に連絡をし指示を受けねばなりませんので次回にご連絡いたします」
「判ります、なるべく早い返答をお待ちしております」
ハイネセンに早く連絡しなければならん100万の帰還なら大事だ。
宇宙暦787年10月13日 帝国暦478年
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