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東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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うんだ」
「……ねぇ、春虎。その部屋に案内してくれる」

 なにか思うところがあるのか、急に面持ちを変えた京子が妙に真剣な声を出す。

「え? でも男子寮だし……」
「気になるの、お願い」
「う〜ん、まぁどうせ装備を取りに行くんだし、わかったよ。でも京子も中には入れないと思うぜ、たぶん」



 陰陽塾男子寮、件の開かずの間。

「うわっ、たしかにこれは強力だわ」

 扉を視るなり鈴鹿が施された結界の妙技に舌を巻く。

「夏目っちの部屋も無駄に強い封印がされてたけど、これはそれ以上かも。……なにこれ、六道迷符印まで仕込まれてんじゃん。発動してないけどこんなのあったらよっぽど注意深く視ないとわからないわよ」

 研究員としてリサーチ能力に秀でた鈴鹿が手印を組み、呪文を唱え、部屋の呪的防御を解析していく。

「……これ、解呪するのに相当時間がかかるわね。しかも込められている術式が自動的に変わるから時間をかけすぎると最初からやり直しってことになるからチョー厄介。強引に突破しようにも堅すぎて無理だわ。堅いといえばこれ、物理的にも強化されてるし」

 呪術によって強化された物質は通常では考えられないほどの強度をもつ。木の扉を鉄扉並に頑丈にするのはまだ序の口。薄紙一枚でバズーカ砲を防ぐどころか、物理的な打撃そのものを効かなくすることも可能だ。

「だろ。でもなぜか知らないけどおれには反応しないんだぜ、それ」

 証拠をしめそうと得意気にドアノブに手をのばした春虎を制し、ドアの前に京子が立った。

「京子?」
「……あたし、これの解きかた知ってる」

 手を扉にそっと近づけ印を結び、呪を唱える。

「――南無巴伽巴跌、他列羅伽、哈拉幾比西、修打呀、撥打呀巴、伽巴跌、他娘打?、比打呀心修、打呀、阿三摩三摩、三満打巴巴――」

 朱唇から透き通った声が紡ぎ出され、よどみのない正しい手順で次々と封印を解除。そして最後のコマンド・ワードを口にする。
 他のだれにも聞き取れぬような小声で。

「スターチス」

 音もなく扉が開いた。

「おおっ」
「ちょ、なにあんた。なんで知ってるのさ」

 京子を先頭に部屋に入った一同は中にあふれる雑多な品々に目を瞠る。
 遮光器土偶に武者鎧、カレー鍋やファラオの胸像、ダーツボード、戦隊ポスター、ボトルシップ、茶釜――。
 それら多種多様な品々のほとんどは強力な霊力呪力が込められた呪具であった。

「す、すごいじゃないですか春虎」

 土御門家に秘蔵されている呪具の数々とくらべても遜色ない逸品がそろっていた。

「あ、これは桃弓ですね。それにこれは木刀だけど護身剣の一種かな、柄に『阿修羅』って刻んであります。こっちは『風林火山』て」


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