暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
[9/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
じゃない、先祖返りってやつ」

 霊的存在の因子が一族の血肉や魂に脈々と受け継がれ、子孫が不思議な力を持つというケースはまれに存在する。真唯にはまだ川姫としての性質は発現していないようだが、霊的抵抗力は常人のそれにくらべて高いのかもしれない。
 鈴鹿のケイタイが振動し、天馬からの着信を告げる。

「もしも〜し、…………あんた酔ってる? ヤバいもんでも食べた? ……いや、マジであんたのそのテンション、ヤバくない? あ〜、わかったわかった。とにかく一度合流ね」

 中津川学園のプールに川姫の里への門があり、よそ者が良からぬくわだてをしている。
そうとわかればあとは川姫の里に乗り込んでイーバだかグレイだかMIBだかの野望を粉砕するだけだ。
 ただ問題は――。

「ううう……、気持ち悪い……、頭痛い……」
「悪ぃな春虎。天馬だけじゃなくて俺まで酒に飲まれちまうとは……ウェッぷ」

 冬児、天馬の二名は戦線離脱。貴重な戦力がふたりも欠けてしまった。

「眼鏡はともかく肉弾戦担当の冬児が抜けたのは心もとないけど、あいつらたいして強くないし、まぁ、なんとかなるでしょ」
「それならおれに任せろ。男はおれだけだからな」
「あぶないよ春虎、ここは京子ちゃんの護法に前衛に出てもらおう」
「うん、まあ白桜と黒楓に最前線に立ってもらうのが基本として、いざって時の盾役は引き受けるぜ」
「また剣道の防具でも身につけて戦うつもりなの?」
「あれよりももっと良い物があるぜ」
「良い物?」
「そう、良い物。……実はさ、例の開かずの間。あれ、入れたんだ」
「そんな! あれだけ強固で複雑な封印をどうやって……」
「それがさぁ、特になにもしてないのに入れたんだよ。で中に呪具がいっぱいあって、マジ宝の山だったぜ」
「ちょっとちょっと土御門のおふたりさん、なに自分らだけで通じる話してんのよ。封印だの開かずの間だの、なによそれ」
「ああ、実はすげぇ強力な封印のされた部屋が男子寮にあるんだけど、それに入れたんだよ」





 陰陽塾男子寮。
 春虎や冬児など実家が遠方の生徒が住んでいる、レンガ造りのレトロな外観の建物。ひとり部屋で共同浴場や食堂などの設備がそろっているこの寮には、いつの頃からか開かずの間と呼ばれる部屋があった。
 通常の施錠のほかにも侵入者を阻む二重三重の結界が張られており、塾生レベルの技術ではとうてい入室できない一室。卒業生のだれかが使っていた部屋で、うっかり術を解除し忘れたままになっていると思われる。
 しかしつい最近のこと、近くを通り掛かった春虎がなんとなく思い立ち、ドアノブに手を触れたらあっさりと開いて中に入れたのだ。

「でもよ、なんでか知らないけどおれしか入れないんだよ。冬児やほかのやつらは弾かれちゃ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ