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東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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「なによ、楽ができたんだから良いじゃない」

 あまりにもあっけない幕切れに拍子抜けする春虎たちの眼前で、着陸していた円盤が銀色に光り出すと、ゆっくりと浮かび上がった。


「「「あ……」」」

 外にいるグレイたちに気をとられて円盤の中を視なかったわけではない。内部からは生命反応は感じられなかったはずだ。

「あー、そうか。機甲式なら動いてないとわからないか……」
「へ? 機甲式?」
「あぶない春虎!」

 突出していた春虎に上空から赤い光線が照射された。

「どうわッ!?」

 義秀甲によって反射神経が強化されているおかげでかろうじて避けられたが、前髪が数本犠牲となり、嫌な臭いに顔をしかめる。

「良かったじゃん、望み通りまだ戦えるわよ!」
「おう、やってやるぜ!」

 しかしいかんせん相手は空を飛んでいる。せっかくの地の利を捨てて、わざわざ剣戟の射程に飛び込んで来てはくれなかった。

 ZAAAAAP!

「バン・ウン・タラク・キリク・ アク!」
「清涼なる冷水よ、疾く集いて障壁となれ、急々如律令(オーダー)!」 

 再度はなられる光線を夏目の結界と鈴鹿の生み出した水の壁で防ぐ。
 円盤は一定の距離をたもちつつ空からの熱戦攻撃を繰り返してきた。隠れ里自体の天井がそう高くないため、高度一〇メートルより高く飛ぶことができない。接近戦こそ無理だが呪術戦の間合いだ。
 夏目の丹塗りの弓がその霊験を現し、雷光の矢が放たれる。三輪山の大物主は蛇神であり、雷雨を呼ぶ水神や雷神としての性格を持った神だ。
 この呪具、先ほど鈴鹿と見せた合体呪術には劣るが自前の霊力を消費せずに呪的効果を発揮できるのが利点だ。
 夏目が攻める一方で鈴鹿は葛玄扇をもちいて水の壁を維持。当初の予定と異なり攻守の役割が逆になったが、水剋火。熱線。火気による攻撃には水の呪具を持つ鈴鹿が有効なので自然とそうなった。
 Dによる陰陽塾襲撃や祓魔局目黒支局でのシェイバ戦といった修羅場をくぐり抜けた春虎たちだ、臨機応変に動けるように練れていた。

「くっ、このままではジリ貧です」

 それなりに威力があるはずの雷光の矢だが、円盤に決定的な損傷をあたえられない。

「……あの円盤、金属性だから雷はいまいちかも」

 雨夜眼鏡上述したように雷は木行に属する。金剋木、相剋される相手には分が悪い。

「なぁ、機甲式とか金属性とか、宇宙人にも陰陽五行思想てあてはまるのか?」
「はァ? なにあんた、まだその設定引きずって宇宙人ごっこしてるわけ、ずいぶん余裕じゃん」
「設定? ごっこ?」
「……まさか、やつらが本物の宇宙人だってマジで信じてたわけ?」
「ち、ちがうのか!?」
「ちうわ! タイプ・レジェンドの動的霊災、
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