エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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されている。闇雲に歩き廻るようなことは避けて式神による偵察を開始した。
周囲は森に囲まれ、田畑が見える。地上の世界と同じく夜だが暗くはなく、霧のようなぼんやりとしたもので天井が覆われ、ほのかに光っている。
十数件の小さな小屋が軒を連ねているのを発見した。小さな村のようだ、ここが川姫たちの村なのだろうが、彼女らの姿は見えない。
そのむこうの空き地に漆黒の大型円盤が着陸している。その前には各種の測定器や電子機器がならべられ、六人の異様な生物――大きな頭部に大きな黒い目、灰色の肌をした細い四肢の人間。俗に言うグレイタイプの宇宙人――がなにか作業をしていた。おそらくこのグレイこそMIBたちの正体だろう。
さらに周囲を探ってみたが、ある程度森を進むと天井同様に白い霧が広がり、柔らかい壁のように行く手を遮る。そこから先へは進めない。
隠れ里全体の広さはそれほどでもないようだ。
グレイたちに気づかれないよう慎重に穏形し、足音を忍ばせて円盤へ接近。村を通過しようとした三人の耳に一軒の家からかすかなうめき声が聞こえてきた。
中に入ってみると時代劇に出てくるくノ一のような裾の短い着物姿の女性たちが縛られ、無造作に転がされている。あらわになった手足は緑色をしていて、水掻きまであった。人ではない、川姫だ。
「おい、だいじょうぶか?」
「お、お願い……、水を、水をちょうだい……」
鈴鹿が手にした葛玄扇をかざすと水芸さながら清冽な水がほとばしる。
「ああ、生き返るわ……。ありがとう、他の娘にも飲ませてあげて」
渇きに苦しみ水をねだる川姫たちに潤いを与えていく。
精気を取り戻した川姫たちは感謝の言葉を口にし、事の次第を説明した。
「――丸くて大きな壺のような皿のようなものが池の中から突然現れて襲いかかってきたの。赤い光を浴びせかけてきて、わたしたちの身体を乾かしていったわ」
「やつらは隠れ里の秘密を知りたいらしくて、しきりに探りを入れているわ。どうも自分らもおなじような隠れ里を持ちたいみたいね」
「あなたたち、見た目は若いけどただ人じゃないわね。その不思議な術、ずいぶん昔に役行者や唐帰りの密教僧が使っていたのとそっくりよ。ひょっとして神仙様?」
「お願いします、高僧様か神仙様かは存じませんが、どうかみな様の神通力で狼藉者を成敗してください」
口々に懇願し、助けを訴える川姫たち。
「なんだか旅の勇者様にでもなった気分だな。でも頼りにされるってのは悪い気分じゃないぜ」
「……春虎、少し鼻の下が伸びていませんか?」
「ちょ、そんなことないって!」
「伸びるのが鼻の下ならまだマシなんじゃない。エロい恰好に目が眩んで変なとこ伸ばしたら、チンコもいじゃうから」
「チンコとか言ってるし!」
たしかに
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