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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 8
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楽しめる設定となっており、秋芳と京子はボーナスステージと呼んだ。
いまいるこの場所もそれらのうちのひとつで、漢文化に傾倒した風流人の造ったような数寄を凝らした池泉庭園で、ぞんぶんに観賞してひと休みしていたところだ。
「こわい夢だったのか?」
幼児のように抱きついてくる京子の身体をそっと抱き返して頭をなでる。ほんのりと甘さを感じさせる花のような香りが鼻腔をくすぐる。現実世界でも京子が身に焚き染めていたお香の匂いだ。
このお香。秋芳がみずから調合したものである。
良き香りは邪を祓い魔を退ける。
そう主張して陰陽塾での授業に調香を取り入れ、塾生たちに香を作らせた。そして秋芳と京子はおたがいに作った香を相手にプレゼントしたのだ。
「夢そのものは全然こわくはなかったんだけど、変な夢。宇宙人とか出てきたし。それに、さびしかった」
「宇宙人が出てくるさびしい夢ってなんだよ」
「夏目君も天馬も春虎もいたのに、あなただけはいなかったの。それがさびしくて、こわかった」
「夢の途中からいなくなったんじゃなくて、最初からいなかったのか?」
「……うん」
一緒にいた人がいなくなってしまい、探しても見つからずに戻ってもこない。
これは、いなくなった人物との関係が切れてしまうことを示している。 特に道を進んでいたような状況は要注意だ。道は人生を表しているので、人生において、いなくなった人との関係が切れてしまうことの暗示だ。
秋芳も京子も陰陽師として卜占の、夢占ないの知識がある。即座にそのような解釈をした。
星読みとしての能力を持つ京子が観た夢なら、そうむげにはできない。
「くわしく思い出せるか」
「ええ、そうね……。あ、あのね、鈴鹿ちゃんがいた」
「すずか?」
「そう。十二神将の大連寺鈴鹿ちゃん」
「なんでまたそんな娘が夢に、大連寺鈴鹿とは知り合いなのか?」
京子の父は陰陽庁長官にして祓魔局局長でもある十二神将の筆頭『天将』倉橋源司だ。その関係で面識があってもおかしくはない。
「残念ながらまだご縁がないのよね」
史上最年少で陰陽T種を取得して十二神将に名を連ねることとなった、『神童』の異名を持つ少女。 その経歴と魅力的な容姿から陰陽庁の広告塔としてアイドルのような活動もしている。陰陽師を目指す同年代の若者で彼女を知らない者などいないだろう。
京子もまた彼女のファンであり、彼女が特集された月刊陰陽師は大事に保管してある。
「で、夢の中でその鈴鹿と宇宙人はどうからんでくるんだ」
「それは――」
京子の観た夢とはどのような内容か、夢の中での夢語りがはじまった。
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