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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 8
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った。
「厭魅をもちいた死霊術の一種、泰山府君祭の下位版だ」
「それ、生き返ったわけじゃないのよね……」
「ああ、あくまで死にぞこない(アンデッド)だ。スカイリムでいうところの死の侍従的な存在だな」
「あたしスカイリム知らないし」
ゆらり、ゆらりと身をゆすり、兇族が歩き出した。
「行くぞ、京子。こいつの体が邪教徒のもとへ案内してくれる」
「え、ええ。でもそのままじゃ目立つから、幻術でもかぶせたら」
「たしかに、歩く死体そのものだしな。幻術は苦手だから京子、たのむ」
こうして秋芳と京子は兇族の死体に案内させ、彼らに命令を下した人物を突きとめようと行動をはじめた。
つきつめた先で邪神バフォメットを崇拝するテンプル騎士団の闇司祭との戦いが待ち受けているのだが、それはまたべつのお話し――。
秋芳と京子はいくつもの世界を舞台に様々なミッションをクリアしていった。
リンカーン暗殺を阻止し、タイタニック号の航海を無事に終わらせ、飛行船ツェッペリン号を墜落から救った。スペインの魔手からインカ帝国を守り、サラディンを助けてリチャード一世率いる十字軍を追い払った。百年戦争の時代、サン・トゥーアン大修道院の地下牢から火刑に処される寸前のジャンヌ・ダルクを救出し、純潔の魔女を助け、人界に不要な干渉をしてくる天使の姿をした霊災を修祓した。
記憶を失いかぐや姫になった京子の記憶を取り戻すために秋芳が大伴のみゆきや石上まろたりに続く六番目の貴公子としてはるばる天竺まで秘宝をもとめ、最終的には月にまでおもむいた。
ときに難解な謎かけが、ときに強敵との戦いがあったが、ふたりで力を合わせて乗り越えてきた。
最終ステージまで、あともう少し――。
ときおり鯉や亀が悠々と泳ぐ姿を見せて水面に波紋を生じさせる以外は玉盤に漿水を湛えたかのような静穏な湖面。
湖のほとりには無数の柳が枝を垂らし、奇岩怪石、石仏や石塔、半円を描く太鼓橋が建ち並んでいる。
まるで『金瓶梅』や『紅楼夢』かなにかの挿し絵に見える、中華情緒あふれる眺めだ。
湖のほとりに唐風の屋根をした
四阿
(
あずまや
)
があり、中にはふた組の男女が並んで寝そべっていた。
秋芳と京子だ。
横になったまま丸窓から外を眺めている秋芳のとなり、規則正しい寝息をたてていた京子が急に身じろぎし、強く抱きついてきた。
「どうした」
「ん……、変な夢を観ちゃって……」
「夢の中で夢を観るとは、なかなか乙な真似をする」
ここはまだデイドリーム枕くんによる夢の中。数あるステージの中には休息のために設けられたかのような、とくにクリア条件がなく自分の意志ですぐに先へと進めるステージがあった。
そのようなステージはたいてい美しい景色や美味い料理が
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