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転生とらぶる
ペルソナ3
1889話
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れはっ!」

 桐条の言葉に、我慢出来ないといった様子で順平が何かを言おうとするものの、それ以上喋る事は出来ない。
 順平にも、分かっているのだろう。ここでこれ以上何かを言おうとすれば、恐らく桐条が本気で自分を見限ると。
 少し前……それこそ、俺達が影時間に活動する前であれば、それこそペルソナ使いが絶対的に少ない事もあり、順平が多少我が儘を口にしても受け入れた可能性はあるだろう。
 だが、今は桐条達のパーティには真田という数年の間、共に戦ってきた相棒がおり、現在はそこにペルソナチェンジなどという、正直俺ですら想像出来なかった能力の持ち主がいるのだ。
 特にシャドウの場合は、弱点となる属性を攻撃するというのがペルソナ使いとしては大きな攻撃手段となる為、有里のようにペルソナを自由に変える事が出来るというのは、非常に大きなアドバンテージとなる。
 その上、桐条達の指揮下にある訳ではないが、協力関係にある俺達は純粋に戦力的に見ると、間違いなく桐条達よりも圧倒的に上だ。
 そこまで戦力が揃っている以上、俺達との関係を悪くしてまで順平を手に入れる必要があるかと言われれば……そこは微妙なところなのだろう。
 まぁ、その辺りは取りあえず向こうで決めて貰うとして。

「……くっ!?」

 結局順平は、それ以上何も言わずに生徒会室を飛び出していく。
 そんな順平の後ろ姿を見送っていた桐条は、やがて俺の方を見て小さく頭を下げてくる。

「すまないな。正直、伊織があそこまで意固地になるとは思わなかった」
「いや、気にするな、順平の気持ちも、分からない訳じゃないからな」

 俺が知る限り、順平は特にこれといった特徴もない、平凡な人物だ。
 まぁ、クラスのムードメーカー的な存在であったり、帽子や髭といった風に若干特徴的な風貌をしてはいるが、言ってしまえばそれだけの存在でしかない。
 そんな平凡と呼ぶに相応しい順平が、いきなりペルソナ使いとして覚醒したのだ。
 そうなれば、今の順平のように自分が選ばれた存在だと思って他人に優越感を抱いてしまうのは、おかしな話ではないだろう。
 言っちゃ悪いが、一種の麻疹のような感じだ。
 寧ろ、そういう意味では順平みたいに自分の力にのぼせ上がらなかった、ゆかりや有里の方が珍しい。
 桐条や真田、荒垣といった面子がペルソナ使いとして覚醒したのは相当前の話なので、その3人がどう思っていたのかは分からないが。

「……前から思ってたけど、アクセルって妙に順平に甘くない?」

 不機嫌そうにそう言ったのは、俺の隣で話の成り行きを見守っていたゆかりだ。
 いや、不機嫌そうではなく、完全に不機嫌だな。
 明らかにその表情には『私、不愉快です』といった感情が見て取れるのだから。

「そう言ってもな。……
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