一年生と三年生
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てるわ!!」
飛び込みフライを取ろうとする絵里。しかし、わずかに届かず地面にボールが落ちそうになる。
パシッ
同点になる・・・そう思ったその時、飛び込んだ絵里の下に滑り込む人影。赤い巻き毛の少女は落ちかけたボールをノーバウンドで捕ろうと決死のダイビング。
「キャッチ!!キャッチ!!キャッチ!!」
寝そべりながら高々とグラブを上げる。その中には確かに白球があり、審判もアウトを宣言した。
「マ”キ”チャ”ン”ダ”イ”ジョ”ウ”ブ”!?」
「これくらい余裕よ・・・イタッ」
接触もありえるほどの危険なダイビングに花陽が心配してやって来る。真姫は平然と立ち上がろうとしたが、痛みで腕を押さえる。そこからは鮮血が流れ出ていた。
「ちょっと!?真姫ちゃん切れてるじゃない!!」
「ごめんなさい、私のスパイクが当たったみたい」
フライを捕ろうと絵里が飛び込み真姫も飛び込んだ際、接触はなかったものの彼女のスパイクの刃がかすっていたらしい。真姫は血が滴る腕を押さえながらベンチに戻ってきた。
「真姫ちゃんありがとう!!」
「ちょっと凛!!血が付いちゃうわよ!!」
ベンチに戻ってきた彼女に飛び付く凛。同点のピンチを救ってくれた少女に彼女は最大限の愛情表現で感謝を伝える。
「ミカ、真姫の治療してくれ」
「はい!!」
応急処置をするためベンチ裏へと下がっていく真姫とミカ。剛は真姫の頭に手を乗せると、「助かった、サンキュー」と言葉をかけた。
「一年生ばっかり頑張ってんなぁ、三年生」
この回先頭の絵里、その後回ってくるにこと希に圧をかける。
「そろそろ点数取って凛を援護してやれ」
「「「はい!!」」」
気合いが入った三年生組。まず打席に向かうのは4番の絵里。
(狙うはストレート。今までの配球を見ると必ずどこかで来てる。それを狙う!!)
試合巧者と言われるだけあって四死球の数が極端に少ないチーム。それゆえにバッテリーは制球のつきやすい球種を必ずどこかで使う。
キンッ
その読み通り1ボール1ストライクからの3球目、狙っていたストレートをライト前へと運ぶ。続く治療から戻ってきたばかりの真姫。本来なら打力が高い彼女に期待をかけたいが、ケガをしているため無理はさせられない。
(転がしてくれ、エンドランだ)
バントはできないだろうという配慮によりエンドランで進塁を狙う。結果はファースト正面のゴロ。ゲッツーコースだったがエンドランを仕掛けていたことにより絵里は二塁に到達できた。
(さぁ、頼むぞにこ、希)
ここからは小技の使えるにこと長打も期待できる希。今回2人にサインは出さない。下級生が頑張っているところを見て刺激を受けているであろう彼女たちなら何
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