0232話『栗田、志摩、西村艦隊の出撃』
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そうですわね鈴谷! まいりましょうか!」
それからみんなで深海棲艦の群れを圧倒してついにボスまでのルートを解放する事に成功したのであった。
これで私達栗田艦隊のお役目も終了したので私は再び執務室で指揮を取ることになる。
だけどボスへの攻略開始は今日はもうみんなもギミック解除のために疲労が溜まっていたのでまた明日から開始するようにして体力温存を図らせることにした。
そんな中で山城が執務室に入ってきて、
「提督……ついに明日からスリガオ海峡の深部に突入するのですね?」
「そうだ。西村艦隊の出番がついにやってきたという訳だな」
「そうですか……ふふふ、楽しみだわ」
山城は一見余裕の笑みを浮かべているんだけどどこかしら腕が震えているように見える。
そんな山城の姿に私は椅子から立ち上がって山城のところまで歩いていく。
「提督……? どうしたのですか?」
「いや、山城。聞いてくれ……そんなに強くあろうとしないでくれ。強がっているのが見え見えだからもっと心を穏やかに明日を挑んでもらいたい」
「わかっています……大丈夫です。この山城、西村艦隊をきっと支えてみせます。ですが……そうですね。提督、私の手を握ってもらっても構いませんか……?」
「別に構わないけど……理由を聞いていいかい?」
「はい。提督はおそらく敵深海棲艦のボスの情報はもう会得していると思うのでしょうが、どうにも不安が拭えないのです……」
先程までの表情が一転して不安一色になっている山城を見て私は深海棲艦のボスの情報を伝えるべきか一瞬迷った。
だけど、伝えないといけない。
だから私は山城の両肩を優しく掴んでやり、
「聞いてくれ山城。まだ他のみんなには伝えていないけど今回の深海棲艦のボスは……おそらく扶桑と山城の負の側面が実体化した存在だと思うんだ……」
「それは……どういった事ですか?」
どこか私の答えを聞きたくないと言った感じの顔になる山城。
だけど伝えていないのと伝えているのとでは受け止め方が違ってくるからな。
だから私は言う。
「先行情報で分かっている事だが今回のボスの名称は『海峡夜棲姫』……二人組の深海棲艦でその姿は山城と扶桑にとても酷似しているんだ」
「そ、そんな……! それじゃ……!」
山城も私の言いたいことが分かったのだろう。少し涙目になりながら、
「そうだ……西村艦隊で突破してスリガオを越えるためにはその二人に酷似した深海棲艦を倒さないといけないんだ」
「そんな、ことって……あんまりです……」
それで地面に手をついて涙を浮かべる山城。
そんな山城の姿を私はいつまでも見ていたいわけではなかったので抱きしめてやり、
「だけど、西村艦隊のみんなで乗り越えるって決めたんだろう? だからもし本当に海峡
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