暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第三十話 返還と賠償の後でその三

[8]前話 [2]次話
「支払ってもらう」
「そしてそれでだね」
「全て終わりだ」
 怪盗としての件はというのだ。
「そうなる」
「完全にだね」
「そしてそれからはだ」
「この盗みの技を世界を救う為に使うってことだね」
「ヘルメスは盗みの神でもある」
 この世界でも信仰されている、ゼウスの息子の一人であり機転と俊敏さをその武器としている。
「そしてその技で何度も神々を助けている」
「そのヘルメスみたいにだね」
「働いてもらいたい」
 是非にというのだ。
「いいな」
「わかったよ、じゃあね」
「今すぐにだ」
「ここに持って来るよ」
「待っている、そしてだ」
「持って来た時にだね」
「貴殿の冒険がはじまる」
 そうなるというのだ。
「罪を償ってからな」
「身奇麗になってだね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうなるからな」
「じゃあすっきりするよ」
「待っているぞ」
 団長はこれで話を終えた、そしてだった。
 その話の後で退室してだ、ここでだった。
 久志は淳二にだ、こう尋ねたのだった。
「御前何で怪盗やってたんだよ」
「お宝を盗んでたかだよね」
「ああ、どうしてだよ」
「いや、実はね」
「実は?」
「いいアイテム探していたんだよ」
 淳二は久志に笑って答えた。
「おいらも世界を救うって話を聞いてたのは知ってるよね」
「ああ、それはな」
「だからね」
「世界を救う様な力があるか」
「そうしたお宝を探してね」
 そうしてというのだ。
「怪盗をしていたんだ」
「そうだったんだな」
「うん、けれどね」
「そんな凄いお宝あったか?」
「あるにはあったよ」
 そうだったとだ、淳二は久志に答えた。城の中の廊下を進みながら。
「今回狙ってた鎧にしても」
「そうした凄い宝だったか」
「おいら目利きも出来るからね」 
 財宝のそれがとだ、淳二はここでも笑って話した。
「だからね」
「それでか」
「うん、このお宝はどうかってね」
「観てそうしてか」
「事前に忍び込んでね」
 その財宝がある場所にというのだ。
「隠れ兜を使って」
「事前に調べてか」
「観てもしてね」
「そうして盗んでたか」
「そうだったからね」
「全部そんな強さのやつか」
「そうだよ、ただね」
 ここでだ、こうも言った淳二だった。
「凄いお宝ばかりでね」
「世界を救えてもか」
「確実に出来そうなものか」
「なかったか」
「何かね」
 これまで盗んだものの中にはというのだ。
「ないんだよ、これが」
「そうなのかよ」
「ほら、君もレーヴァティン持ってるだろ」
 久志のその剣の話もした。
「それを」
「ああ、これな」
 久志も腰にあるその剣に目をやって応えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ