第二章
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オーバーラップしてだ、群がる相手チームの選手を怒涛のドリブルで弾き返していってそのうえでだった。
一点入れた、そして攻めて来た相手からボールを奪うとまた前に出てそのうえでまたシュートをしてだった。
二点目を入れた、二点目を入れて十分後にこちらがボールを確保すると玲子は前に向かって駆けつつ叫んだ。
「私に回して!」
「また決めてくれるのね!」
「ええ、決めるわ!」
ボールを持っているチームメイトに言う。
「そうするから!」
「わかったわ、お願い!」
「ええ、任せて!」
「させるかよ!」
相手チームの面々がそれを聞いて玲子を防ごうとする、しかし玲子はまだ怒りが収まらずにだった。
その相手を吹き飛ばしていってだ、遂にだった。
三点目も入れた、何とディフェンダーでありながらハットトリックを達成して試合を決めてしまった。
玲子は試合が終わってだ、会心の笑顔で言った。
「やってやったわね」
「ええ、酷い相手だったけれどね」
「勝ってね」
「仕返ししてやったわね」
「やられた分ね」
チームメイト達も玲子に応える。
「玲子ちゃんやったわね」
「ハットトリックで勝負決めたわね」
「やったじゃない」
「仕返ししてやったわね」
「これでいいのよ」
先生も玲子に言う。
「サッカーでのことはね」
「サッカーで、ですね」
「やり返すべきなのよ」
「怒ってもですね」
「今の風でいいの、またああした相手が出て来たら」
ラフプレイばかりする悪質なチームとの試合になってもというのだ。
「今みたいにして怒りを発散させるのよ」
「今度からそうします」
笑顔で応えた玲子だった、ハットトリックを決め勝利をもぎ取った彼女にはもう怒りが消えていた。だがこの話を聞いてだった。
弟達は家でだ、こう話をした。
「姉ちゃん怒らせるからだよ」
「だからそのチーム負けたんだよ」
「ハットトリック決められたんだよ」
「そうなったんだよ」
「自業自得だよ」
「姉ちゃん怒らせたからだよ」
その結果だというのだ。
「本当にな」
「そんなことするからだよ」
「馬鹿な連中だな」
「姉ちゃん怒らせるなんてな」
「鬼出させた様なものだよ」
「だから叩きのめされたんだよ」
それで負けたというのだ。
「本当にな」
「その結果だよ」
「やれやれだな」
こうしたことを話してそしてだった、彼等はそのチームの連中が負けたのをよくもまあと強く思った。
そうしてだ、彼等の中で話した。
「俺達もこれからも気をつけないとな」
「姉ちゃんは怒らせない様にしないとな」
「さもないとあのチームみたいになるからな」
「叩きのめされるからな」
「それもサッカー以外だとリアルで」
「そうならない為にもな」
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