第二十幕:ふたつの虹の大切な夢
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風景写真を撮影していたら、女の人から声を掛けられた。
女の人「すみません。今、撮りました?」
時崎「え!?」
女の人「そのカメラ、見せてもらえますか?」
時崎「はい」
俺は、風景写真を撮影していたのだが、女の人が、自分を撮影されたと思い、声を掛けてきたようだ。風景の中にその女の人が映っていた。
女の人「すみません。勝手に撮影されるのは、困ります」
時崎「風景を撮影したつもりだったんですけど、不愉快な思いをさせてしまってすみません」
女の人「そうでしたか・・・」
時崎「この写真、消しますので」
女の人「はい。勝手に撮影しないように、気をつけてください」
時崎「はい。すみません」
俺は、その写真のデータを、女の人の見ている前で消した。女の人はそれを確認して、その場を去ってゆく。俺は風景を撮影していたつもりだったのだが、この場合、必要以上に言い訳すると余計にややこしくなる・・・それに、実際、女の人が写っていたのは事実だから、女の人の言う事も最もだと思う。突然写真を撮影されると不安になる人も居るという事だ。気をつけなければ・・・改めて、その風景のみを撮影しなおす・・・。
ピピッ!
時崎「ん・・・」
時計の音が何時か分からないけど「00分」を告げる・・・わずかな音に目が覚める・・・。
時崎「夢・・・か・・・」
以前に実際にあった事だが、あまり気分の良い夢とは言えない・・・なんでこんな夢を見たのだろうか・・・。時計を見る・・・時刻は5時01分・・・。夢の内容は、その時の心理状態と関係があるという・・・昨日、高月さんが話していた七夏ちゃんの不安要素・・・この引っ掛かりが、俺の見た夢にも影響しているのだろうか?
写真を撮られて、気分が悪くなる人が居るのは確かだ。七夏ちゃんも「以前」はそうだったと思っていたけど、もしかすると・・・。七夏ちゃんが写真を撮られる事を嫌だと思っていて、俺が人物の撮影を拒んでいたとすると、何も問題は無い・・・。だけど、俺は七夏ちゃんや、天美さん、高月さんの写真は撮りたいと思うようになっている・・・この事が問題とならないようにしなければならない。
時崎「もうすぐ日の出か・・・」
俺は、今の気分を紛らわす為、日の出を撮影しようと思い、風水の庭に向かう・・・昨日、みんなで花火を行った事を思い出す。あの時の七夏ちゃんは普段どおり楽しそうだった・・・でも、高月さんが話していた「七夏ちゃんの不安」も本当の事だと思う。
東の空が明るくなってきた。俺は、三脚を固定し、写真機で「今日の太陽」をお迎えする。数分後、太陽が少し顔を見せる・・・辺りが急に明るくなり「今日と言う一日」の始まりを実感する。日の光は、俺のもやもやとした気持ちを洗い流してくれるように思えた。
時崎「もっと
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