エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 3
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正時代に作られた古黴まみれの悪法だろ。節制できる人間なら子どもでも飲んでも良いし、それができない人間なら大人でも酒は飲むべきじゃないね。禁酒法なんてクソ喰らえだぜ、マザファッカ!」
「いや、禁酒法じゃなくて未成年者飲酒禁止法……」
「そんな大正時代に作られた古臭い法律を律義に守る必要はない!」
「いや、作られたのは大正時代ですけど、廃止されずに今も生きている法律ですし……」
「じゃあなにかい、墾田永年私財法や三世一身法は今も通用するってのかい? あれだってべつに廃止されたわけじゃないだろう」
「目茶苦茶な理屈ですよ! 太閤検地で死文化した墾田永年私財法とちがって未成年者飲酒禁止法は明治維新以降にきちんと、何年何月何日に制定された法律第何号。というふうに正式に登録されたものなんですからじゅうぶん――」
「まあまあ、いいじゃねえか天馬! 飲ませてくれるってんだから、小難しいことは置いといて、ありがたくいただこうぜ」
「僕はノンアルコールでいいよ。……ところでなんで呪術BARなんですか、本職の呪術者が無理でも、それに近いところで働ける職種はたくさんあるのに」
「呪術の他には酒ほど美味しいファンタスティックなテーマは類い稀なほどですからね。なにしろあのディオニソスのご加護がある。バッカスの異名を持ち、混沌と豊穣とを司るディオニソス。半人半獣の異形の牧神をひきつれた、あのもっとも悪魔的な神から人類に贈られた飲み物こそは、さまざまな幻視者の夢をかきたて、詩神ミューズの領域に――」
「すみません、その話、長くなります?」
「ようは酒が好きなんだな」
「……まぁ、要約するとそうなるね。呪術の他に好きなものといえばお酒くらいだったから」
「まぁ、酒と呪術は切っても切れない縁があるしな」
アルコールが精神にもたらす効果は神秘体験や呪術と結びつけられ、洋の東西を問わず非日常の宗教儀式用に摂取されることが多い。古代の人々は酩酊を一種の神憑り状態と考えていた。
「で、オリジナルカクテルってのはどういうやつなんだ?」
「はいよ、これがメニューだ。うちは種類が多いからじっくり考えて急々如律令してくれ」
「は?」
「Orderしてくれ(にやり」
「「…………」」
気を取り直して渡されたメニューに目を落とす。
バルハラスイング
インテリドライ
マジカルフィズ
マッスルハイ
スピードカクテル
ミラクルトニック
パピルマソーダ
テンプルトニック
スーパーミルク
「なんだ、これは……」
未成年にもかかわらず酒をたしなみ、カクテルについてもそれなりに詳しい冬児もはじめて目にする名だった。
もっともオリジナルカクテルなのだから当然といえば当然だが。
「よし、とりあえ
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