エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 3
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。……まぁ、いいや」
友人の高まるテンションに水を差すのも野暮だ。もっともな疑問はよそに置いて、鈴鹿にMIBのアジトを発見したことを告げようとしたのだが、電話に出ない。
代わりに京子にかけたところ、混乱する真唯をなだめ、事の次第を聞くのに説き伏せている最中だとのこと。
「少し手間取りそうな様子だね」
「ああ」
所在なげにビルを見上げるふたり。
三階建てのビルで葬儀社は二階と三階に入っており、一階には喫茶店も兼ねたBARが入っていた。
手持ち無沙汰に痺れを切らした冬児と天馬は喫茶店で涼むことにする。
「マスター、ハイネケンは置いて――ッ! なんじゃこりゃあッ!?」
三面八臂の降三世明王や三面五眼の金剛夜叉明王の木像が睨みをきかせて来店者を出迎えた。
壁一面に貼られた札には「急急如律令」や「木火土金水」などの見馴れた文字や真言が書かれ、独鈷所や梵鐘などの仏具や水晶玉やタロットカード、ヴィジャボードといったオカルトじみた品々がそこかしこに置かれていた。
「な、なんなんだ、この店……」
陰陽塾に通う者ならわりかし見慣れた光景ではある。しかし呪術とは無関係な一般の街中で、このような装いを目にするのは。
「いらっしゃいませ。呪術を愛する者たちの隠れ家、BAR『メイガス・レスト』へようこそ……」
ベストにネクタイという絵に描いたようなバーテンダー姿で右目に海賊のような眼帯をした瀟洒な中年男性がそう言って奥から出てきた。
「じゅ、呪術BAR!?」
「Oui(そうです)」
「じゃあ、あなたは呪術者なんですか?」
「……かつての私には呪術を行使する力もなければ、見鬼の才も持たない一般人でした。しかしあの日を境に日常は崩壊した。ある夜、あの忌まわしき動的霊災・白來不に遭うまでは……」
「白來不?」
「そう。白來不。それは闇と混沌の申し子にして恐怖の使者。限りなき腐敗の王にして究極的堕落の権化であり絶望と虚無の体現者でもある。その姿は魚に似ず獣にも鳥にも似ていないが、昆虫にもまた似ていない。災厄が訪れるとき前触れとして出没するが、これをひと目でも見たものは石に変ずるとも全身の血を凍らされ死に至るとも言われる」
「そんな動的霊災、初耳だぜ」
「白來不とは中国の奇書『補天石奇説余話』に登場する邪神で、黄帝によって退治されたという。四凶や四罪に匹敵する存在なのだ」
大きな犬の姿をした渾沌。羊身人面で目がわきの下にある饕餮。翼の生えた虎窮奇。人面虎足で猪の牙を持つ檮?。
人面蛇身に朱色の髪を持つ共工。驩兜。鯀。三苗
中国
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ