エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 3
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恐怖に声も出せない真唯。その時、網戸を突き破って飛来した紙飛行機がMIBの側頭部に突き刺さった。
鈴鹿特製の簡易式神だ。
「GU、GURUGAA、POPOPOpo―ッ!?」
突然のアクシデントに奇声をあげ、あわてて側頭部の紙飛行機を抜こうとするMIB。しかし紙飛行機は迅速にプッシュバックし、その手から逃れると、くしゃりとひしゃげて人の形を成した。
「住居侵入および恐喝罪で現行犯逮捕。略して現逮だコラァッ!」
人形の号令一下、禽獣を象った式神が次々と窓から飛来し、MIBに殺到する。
「Oh No!」
全身を咬まれ、啄まれ、毟られたMIBが一目散に逃げ出した。壁の中に。
「あ、こらっ、待て!」
待てと言われて待つ者はそうそういない。
MIBが外に止めてあった黒塗りの車に乗り込むと猛スピードで発進し、街へと疾走する。
時速二〇〇キロを軽く超える高速で駆ける車に手持ちの式神では間に合わない。そう判断した鈴鹿は市街探索組、冬児と天馬に連絡した。
「そっちに黒いやつらが行ったから捕まえてっ! ……車よ、車っ。特徴? ナンバー? ええと、とにかく黒いのっ、だから見ればわかるわよっ」
「――って言われても、街だって広いんだから検知式でもないと見つけるのはむずかしいよね。せめてナンバー……、ううん、車種だけでもわからないと……」
スピーカーモードを切った携帯端末をしまいながら、天馬が冬児に同意を求める。
「……なぁ、天馬。それってあれのことじゃねえか?」
冬児の指差した方向。黒塗りの大型セダンが駐車場に停車し、車から降りたふたりの黒服があわてふためきながら近くのビルに入っていくところだった。
「葬儀屋か?」
井伊場葬儀社。看板にはそう書かれていた。
「なるほどな、真夏に黒服の男が出入りしていても怪しまれないってわけか。考えたな」
「井伊場……いいば……いーば……イーバ……。そうか、EBE(イーバ)か!」
「イーバ?」
「アメリカの極秘文書とかで使われる用語で、宇宙人のことだよ! こないだの『ドキッ! 真夏の夜の丸ごと超常現象スペシャル20XX ポロリもあるよ!?』でも説明してたでしょ。これはアタリだね! やつらが、MIBが宇宙人だという証拠だよ!」
「……なぁ、なんでわざわざ自分達の正体を示すような名称を使うんだ?」
「秘密結社ってのはそういうものなんだよ。それに秘密というのはだれでも知っているけど口に出して言えないことを指すんだから」
「ほう、なるほど。お役所と記者クラブとの癒着だの銀行や証券会社と総会屋との癒着打の野党と与党のなれ合いだの、たしかに秘密ってやつだわな。……て、今の俺らの相手は秘密結社じゃなくて宇宙人だろ
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