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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲之夢 7
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海辺のような怒涛が、大津波が押しよせてくる。
「流されるな! みんなたがいの身体をつかめっ!」
大量の水が壊れた柵や丸太を運んで迫ってくる。そして飲み込まれた。
激流に落ちたようなものだ。息を止めて水を飲まないように両手で顔をおおう兵たち。水流の底をころがり、地面に削られて命を落とす者。流れてきた材木に巻き込まれ、身体を裂かれる者――。
地震と竜巻から生き残った兵たちはひたすら耐えた。
やがて流れは弱まり、水の高さは腰の位置から膝、膝から下へと低くなり、あふれていた水が嘘のように引いていった。
流れてきた岩の直撃を受けて頭を砕かれた者や、身体が背中のほうに折れ曲ってしまった兵たちの姿が散乱している。
生きて動いている者の姿もあるが、負傷と疲労とで老人のように動きが遅い。地獄と化した戦場から逃れようと必死になって這いずる彼らの頭上で軍荼利明王が数十、数百の火球を無慈悲にとき放った。
後方で数百の赤い輝きが乱舞するのが見えた。
次の瞬間、炎が噴き上がり、もうもうたる煙が空へと立ち昇る。
「い、いったいなにが、なにが起きているというのだっ!?」
五大明王の生み出した破壊呪術の余波は遠くはなれた場所にも影響し、無数の土礫や渦巻く颶風や瀑布となって荒ぶった。方臘も包道乙もとっさに展開した結界で身を守ってはいるが、その威力はすさまじくすべては防ぎきれない。
秋芳も荒れ狂う五気の渦中にあったが、こちらは事前に使用していた禁呪則不能使術のおかげで呪術による猛威を完全に遮断している。
「ぎゃあっ」
飛来した火球の直撃を受けた方臘の身体がたいまつのように燃え上がり、むっとする熱気と煙、人の焦げるいやな臭いが鼻を刺す。
全身を炎につつまれ、狂ったように走り回る方臘。炎熱と煙による気道熱傷でのどを潰され、消火の呪を唱えることもできない。
包道乙が水術で火を消したが、半死半生のありさまだった。
「なんて恐ろしい……」
離れた場所でさえこの威力。目視したわけではないが強大な呪力の氾濫に元軍の先鋒が壊滅状態になったのはあきらかだった。
包道乙は結界を強化し、この五気の狂奔にひたすら耐えた。
そしてようやく破壊の嵐がおさまる。
「……このようなむごたらしい呪術は見たことも聞いたことも――。あ、あなた、なにをなさっていますの!?」
いつの間にか禁呪則不能使術を解いた秋芳がどこからか取り出した仏像を前に祈祷しているではないか。
手に五股印を結び真言を口にする。
「オン・マカラ・ギャ・バサロ・シュニシャ・バサラ・サトバ・ジャク・ウン・バン・コク!」
チョロイ〜ン☆
怨敵さえも敬服し、信愛をしめすといわれる愛染明王の
敬愛
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きょうあい
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