ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
4話 救出劇と再会
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トも健全な中学生に成長したんだなって。そんなこと聞くだなんてね」
「そ、そりゃそうだろ。まだあの時は8歳だったんだし」
さらにキリトは顔を赤くする。再びリアの口からは笑いがこぼれるが、今度はすぐに収まった。
「ツカサ君とは付き合ってないし、変な関係じゃないよ。ただ、テロがあったあと、ずっと一緒にいたから、お互いのことはよく知ってる、大切な人なんだ」
「そ、そうなのか…」
眼を白黒させているキリトに向かって、コーヒーカップ越しに、リアはいたずらっぽくウィンクした。
「もしキリトがそっちの趣味でツカサ君を狙ってるならあんまりお勧めしないよ。ツカサ君は女にも、ましてや男にも興味ないからね」
「なっ!!リア姉!!」
「あはは、冗談、冗談だって!」
SAOが本来の仕様を取り戻してから、初めてこの世界に明るい笑いが響いた。
「リア姉はこれからどうするんだ?」
レストランを出て、村を歩きながら、キリトが聞いた。リアは視線を上にあげる。
「んー、しばらくはこのあたりにとどまるかな。レベル上げとかしてると思う。キリトは?」
「俺は…今日中にはもう次の村に行こうと思う」
「…キリトはソロで攻略するつもり?」
キリトはリアの人もをまっすぐにみてうなずいた。
「ああ、この世界では、それが一番だと思うんだ。茅場がいつまでも街を圏内と指定しているとは限らないし、これからおそらく犯罪者ギルドも出てくる。それまでに、自分の身は自分で守れるぐらいにしておきたいから」
「そっか。キリトがそこまで考えてるなら何も言わない。だけど、もし何かあったら何でも頼ってほしい。全力で助けに行くから」
リアの温かい言葉に、キリトは胸がじんわりとするのを感じる。信じられるのは自分と、自分の実力のみというこの無情な世界において、唯一の例外である従姉であり、キリトにとっては姉のような存在だ。ずっと亡くなったと思っていたため、今回の再会は衝撃的なものであったが、彼女は昔と変わらぬ彼女で安心した。
「あ、そうだ、フレンド登録しよう」
「ああ、そうだな」
メインメニュー・ウィンドウを開き、リアから送られてきたフレンド申請にyesボタンを躊躇なくおす。こうして、彼女はキリトにとってこの世界で初めてのフレンドとなった。
「じゃあ、また必ず会おうね」
「ああ、また」
リアはキリトに手を振ってから、ゆっくりと背を向け、村を出ていく。キリトはその華奢な背中がフィールドに消えるまで見送った。
今度こそ、自分の目の前からいなくなってしまわないことを祈りながら。
しかし、彼の耳には、リアの小さなつぶやきが聞き取れなかった。
「ごめんね…」
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