ペルソナ3
1888話
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「さて、じゃあいい?」
「ああ」
俺が頷くと、ゆかりが小さく深呼吸してから、生徒会室の扉をノックする。
随分と緊張しているようだが、もしかしてゆかりは生徒会室に来た事はないのか?
……いや、普通ならそう来るような場所じゃないか。
寧ろ、殆どの生徒は学校生活の中で1度も生徒会室の中に入るような事はないだろう。
そう考えると、こうして俺達が呼ばれるのは色々と特別なんだろうな。
「ああ、よく来てくれた。……うん? 他の2人はどうした?」
「あの2人なら、ちょっと友達に話し掛けられたりしてたので、もう少し時間が掛かると思います」
「む、そうか。……しょうがないな。友人達との関係も重要だ」
ノックの音と共に扉が開き、桐条が姿を現すと、ゆかりと短く言葉を交わしてから、中に入るように誘う。
俺とゆかりはその言葉に従って生徒会室の中に入り……表情が嫌そうな顔に変わりそうになるのを、何とか我慢する。
何故なら、生徒会室の中には俺が生理的に受け付けない相手……幾月の姿があったからだ。
他にも真田の姿があり、握力を鍛える……ハンドグリップだったか? それを手に、この短い時間でも身体を鍛えていた。
「やぁ、わざわざ来て貰って悪かったね。ただ、ちょっと重要なことが判明したから、君達にも知らせておこうと思ったんだ。……他の2人はどうしたのかな?」
「あの2人は友達に話し掛けられていたので、少し遅れます」
ゆかりが桐条にしたのと同じ説明をすると、幾月は納得したように頷く。
「そうか。学校生活では友人達との関係も色々と重要だからね。君達は……その辺り、どうなのかな?」
「それなりに友達はいる方だと思いますよ?」
「ふむ。なるほど。では……」
と、俺に視線を向けた幾月だったが、俺が何かを言うよりも前に再び扉がノックされた。
そうして中に入ってきたのは、当然のように有里と順平の2人。
有里はともかく、順平の方は俺の方を見るも、視線を逸らす。
「……さて、関係者が全員揃ったところで、早速本題に入ろうか。出来れば荒垣もいてくれればよかったのだがな」
一瞬だけ残念そうな表情を浮かべる桐条。
以前は自分達と行動を共にしていただけに、この場にいないというのが気になるのだろう。
だが、すぐに気分を切り替えるように小さく首を振り、口を開く。
「ああ、いや。本題の前にこれは言っておいた方がいいか。モノレールの件は、問題なく片付いた。多少の被害はあったが……」
「そうなんですか? でも、学校でもそれなりに話題になってましたよ?」
桐条の言葉に、ゆかりがそう返す。
そう言えば何人かがモノレールが夜中に勝手に移動していたといった話をしていたな。
ただ、当然その理由はシャ
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