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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語
009話『クラウスの子孫の郷愁』
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憶を引き継いでしまった私にはそういう生き方しかできないのです。

「ふぅ……わかったわ。あなたも過去の記憶に捕らわれているのね。ノーヴェ、ちょっと荷物も持ってもらってもいいかしら……?」
「え? あ、はい。いいですけど……まさかシホさん?」
「ええ。ハイディさん……それなら私にも戦う義務があるわね。あなたのいう通り私は聖なる錬金術師……末裔というのは間違いだけどあなたの事を放っておけないから」
「ご配慮痛み入ります。あなたの事情も聞きたいところですが……今は」
「ええ。拳を交えるんでしょう? クラウスの子孫らしいわ」

そう言ってシホさんは少し体をほぐすように動かした後に構えをしました。
そこからにじみ出てくる強者の体現。
聖なる錬金術師のあの人は格闘はてんでダメだったとクラウスの記憶が言っているのですが……シホさんは強いのでしょうか?

「それでは……まいります!」
「ええ!」

私は魔力をバネにチャージをしかけました。
速攻からの突撃、いきなりなら不意打ちはできると踏んだ、と思ったのですが……チャージした次の瞬間にはシホさんの姿は掻き消えていました。
どこに!?という疑問を感じる前に私のわき腹から鈍痛が響いてきました。

「なっ……!?」
「はい。今のであなたは一回死んでいるわ」
「ッ!」

いったん後方へと下がっていき何をされたのかを思考しました。
それでも私が追い付けないほどの反応速度で移動してお腹に拳を一発入れたという単純なものなのに、それだけが脅威という一言で片づけられないものなのかと感じました。

「さすが……英雄と呼ばれるだけありますね。今の私では敵いそうにないみたいです。ですが!」

せめて一撃だけでもという思いで私は先程よりもさらに本気でシホさんに挑む覚悟を決めました。
それを感じてかシホさんも私に一撃を与えるためにまたしても高速で接近してきました。
そして、

「これを耐えられたら反撃を許すわ。せいぜい耐えてね?」

シホさんの拳に魔力が宿り、私に拳を放ってきました。
私はその拳をなんとかギリギリ掴む事に成功したためにカウンターバインドを仕掛けてシホさんの腕を封じました。
これなら……いける!

「いきます! 覇王……断空拳!!」

私の今の渾身の一撃がシホさんにヒットしました。
これで倒れないのなら私の力不足という事になりますね。
そして思った通り、

「……いい拳だったわ。バインドからのカウンターはなかなかのものね」

そこには私の覇王断空拳を受けたにもかかわらずに平然と立っていたシホさんの姿がありました。
強い……ッ!
これが数多の戦いを潜り抜けてきた人の私との実力の差か。
そう思った矢先に、

「あ、れ……?」

急に私の視
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