エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 2
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さんはこのところ精神が不安定なの、そっとしておいてあげて」
非日常的なできごとに興奮してひとりの女子に群がる生徒たち。
それをやんわりと、しかし毅然とした態度で制し、退室させる、もうひとりの女子。
「……ありがとう、聖子ちゃん」
「いいって、いいって、気にしない気にしない!」
天文部の部室には彼女たちを入れて八人。残りの六人は男子だった。
「笹岡さんは今日はもう休んだほうがいいんじゃないかな。岩井さん、家まで送ってあげて」
「平気です!」
「そうかい?」
「はい。……それよりも、あれはやっぱり夢なんかじゃなかったです!」
「あれ?」
「そうです、だって一昨日の夜にまたやつらに襲われたんですよ!」
「…………」
「空飛ぶ円盤だって見ました。あの時みたいにプールから飛び立ってたんです! やっぱりあそこにはなにか……」
「…………」
「部長?」
「笹岡さん、やっぱり今日は休んだほうがいいね」
「部長!? ねぇ、聖子だって土曜の夜にまた見たでしょ!」
「真唯、あなた疲れているのよ」
「――ッ!」
奇しくもそれは宇宙人熱に高揚した天馬が大友から言われたことと同じフレーズであったが、あたえた衝撃はもっと大きかった。
「なんで、みんな……」
青ざめた顔でその場を走り去る真唯。
「笹岡さん、やっぱり心配だね。夢と現実の区別がつかなくなっているよ。少し落ち着いたら様子を見てくれないかい」
「はい、部長」
しばらく笹岡真唯を気遣う会話を交わしたのち、夜の天体観測や秋の文化祭の出しもの。シリウスやカノープスがどうのといった天文部らしい話題に移ったので春虎と夏目はその場をあとにした。
「おどろいた。一昨日より前に空飛ぶ円盤を目撃してたんだな、あの子。つうか天文部の人ら」
「うん、でも笹岡さん以外はどうもそのことを憶えていないようだね」
「あまりのショックで記憶喪失になったとか。まてよ、記憶喪失? まさかメン・イン・ブラックとか……」
黒づくめの男が手にした、ペンのような形の道具から記憶を消去するフラッシュが焚かれる。映画で見たワンシーンが春虎の脳裏に浮かんだ。
あれと同じようなことを、黒服どもがしたのでは。
「ありえるね、一昨日の夜は笹岡さんの記憶も消そうとしてたのかも」
「あとやっぱりプールからUFOが出現してるみたいなんだよなぁ」
「昨日あれだけ探したけどおかしい所はなかったですよ」
さすがに夏目は遠慮したものの、暑さに辟易した春虎はパンツ一丁でプールの中を探し回ったのだ。
「秘密の合言葉とかあるんじゃないか?」
「合言葉かどうかわかりませんが、異なる層の存在と接触したり、異層そのものへの門を開くのに特定の所作や言葉をもちいること
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