エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 2
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として、ざっくり四〇〇年以上もかかる計算になるよな。宇宙人どんだけいるんだよ、日本の霊災発生より多くね?」
「ところでUFOはナチス・ドイツの秘密兵器だっていう説もあって、ナチスの連中は宇宙人と――」
冬児と天馬はこうして喫茶店で一日を終えた。
翌日。
肌にからみつく熱気、身を焦がす日差し。うだるような暑さの中、学生服に身をつつんだ少年少女があぜ道を歩く。
「あちー」
「だりー」
「ヤバーい」
不平不満の声はしかし、いやがらせのように鳴き響く周囲の蝉の声にかき消された。
「きのう今日と続けて補習とかありえなーい」
成績不振者である彼ら彼女らは今日もまた夏休みの一部を返上して、中津川学園へとむかっている。自業自得とはいえ哀れであった。
「もうさー、マジで留年でもよくなーい?」
「いやー、それはさすがにヤバいっしょ」
「ヤバーい」
「ヤバーい」
「あ、ヤバーいといえば……」
「んー?」
「ほら、二年四組の笹岡真唯」
「あー、あの」
少年少女らの目線が田園の中心にまします大きな屋敷、笹岡邸へとむけられる。
「お屋敷の子でしょ、それがなに?」
「なんかー、夜、学校でヤバい連中に襲われたところを、チョー美少女な陰陽師に助けられたらしいよ」
「なにそれヤバーい」
「ヤバーい」
真唯は先日の夕方頃になると少し回復し、自分の体験を級友たちに話した。
LINEというやつはすごいもので、いにしえより生きる某呪術師がスマートフォンを見て『われらの術が廃れるのも道理』と達観したのもうなずける。
高校生の情報網はあなどれない。
あの夜に中津川学園で起きたできごとは、生徒の多くが知ることになった。
中津川学園内で探りを入れていた春虎と夏目の耳に喧騒が飛び込んできた。
人々のざわめきは部室棟の一室から聞こえてくる。見れば天文部の部室だ。
「そういえば、笹岡さんも天文部でしたよね」
「ああ、きのうは誰もいなかったけど、今日は活動してるのかな」
ふたりは隠形を解かないまま部室へと近づく。隠形といっても物理的に透明になっているわけでも気配を断つ種の隠形ではなく、周囲に溶け込むタイプのものだ。
「ヤバーい、ヤバーい」「ガッコーでKGBに拉致られそうになったってマジ?」「ヤバーい」「え、KGBじゃなくてモサドでしょ」「ヤバーい」「おれはFSM(空飛ぶスパゲッティ・モンスター教)原理主義者に襲われたって聞いたぞ」「なにそれヤバーい」「マジヤバーい」
どうも奇天烈な方向にうわさが広がっているらしい。
生徒たちの質問攻めにあう渦中の人物。おそらく笹岡真唯戸と思われる少女が惑い迷う様子が見てとれた。
「笹岡
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