エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 2
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生たちとも普通に接しているが、人を遠ざける壁を作っていたのは陰陽塾に入ってからも同様であった。
春虎といっしょにこうして学校≠フ中を歩いていると、まるで自分が呪術にも霊災にも縁もゆかりもない、ごく普通の高校生になったかのようだ。
幼い頃から呪術の英才教育を受け、そちらの世界にどっぷり浸かった夏目ではあるが、一般的な若者の生活にまったく、全然、微塵も興味がないというわけでもない。
あこがれ、とまではいかないまでも一度は経験してみたい未知の世界だった。
そんな世界に、いま、春虎とふたりでいる。
それが、なんともうれしい。
(……春虎は剣道部のエースで私はマネージャー、冬児はやっぱり不良キャラだよね)
がらにもなくそんな妄想をしてしまう。
水を叩く音と歓声が聞こえてきた。
「おー、さすがに気持ち良さそうだな」
廊下の窓から地上を見下ろすと、水泳部と思われる集団がプールで飛沫をあげている。
「……プールからUFOが飛び立った、て言ってましたよね」
「ああ、実際にUFO相手に追いかけっこしてなければ信じられないよな」
「彼らが去ったあとで調べてみる必要がありますね」
「プールかぁ、しばらく入ってないなぁ。あ、でも水着がないや」
「水着!? は、は、は、は春虎っ、なにを言ってるんです!」
「え? だって水着じゃないと潜って調べられないだろ」
「それは、まぁ、そうかもしれませんが……」
「そこらのコンビニで売ってないかな、スクール水着とかならあるだろ」
「この歳でスク水だなんて変態ですっ!」
「そ、そうなのか!?」
「……は、春虎はどんな水着が好きですか?」
「泳げればなんでもいいかな」
「そうじゃなくて! わ、わたしに似合う水着って、どういうのだと思うか聞いてるんです!」
「え? あ、う〜ん。なんか、ピンクでフリフリとかついてる、かわいいお嬢様系?」
「なるほど……」
よかった、変な趣味じゃなくて。
つかの間の高校生活もどきを満喫する、春虎と夏目であった。
「――一九六一年にヒル夫妻が宇宙人に誘拐された事件があったけど、宇宙人に誘拐されての人体実験、エイリアン・アブダクションはアメリカで頻繁におこなわれているんだよ。テンプル大学のジェイコブズ博士らが調査した結果、なんと三七〇万人以上ものアメリカ人が宇宙人によって誘拐されていることがわかったんだ! さらに近年ではマサチューセッツ工科大学でアブダクション研究会議が開催されたり、ハーバード大学のジョン・マック博士が『異星人によるアブダクション誘拐は真実』と発表したり、正統なアカデミズムの世界でもアブダクションは認められてきてるんだ!」
「……三七〇万人の生体実験つうと、人間ひとり一時間で実験を終えた
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