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東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 2
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に四六時中神経とがらせる必要ないし、あたしの式神なら異常にすぐ気づくから」

 笹岡邸の上空をカラスに似たサイズの、しかしあきらかに鳥とは異なるシルエットのなにかが音もなく飛んでいる。紙飛行機だ。
 おなじ場所をおなじ高度でずっと旋回しているそれは鈴鹿の打った検知式であり、視覚情報のみならず霊気も探知できるうえ、軽い穏形がかかっている。
 式からの情報は鈴鹿自身に直接送られるだけでなく、聖書を模した呪具にも送られ、見開いたページにリアルタイムで映像を映し出していた。

「あやしい円盤だのUMAだのが飛んできたらすぐにわかるから。……あー、やっぱ山より海よね、海」
「海、行きたい?」
「べつにー」
「そうねぇ、行きたいわよね」
「いや、あたしはべつに行きたくないし」
「もう時期的にギリギリだけど、あそこなら……」
「だからべつに行きたくないしっ」
「もし海に行けるとして、さっきみたいな水着にするの?」
「んー、まぁね。あれオキニだし。そう言うそっちはやっぱ紐?」
「紐!?」
「紐よ、紐。モーヒーよ、紐みたいなエロ水着でちちおんなの面目躍如とか狙ってんだろ、あざといんだよ、この化け乳女っ」
「着るわけないじゃない、そんなの。……夏目ちゃんは青か白の清楚系のが似合うわよね、やっぱり」
「スク水でいいんじゃん」
「あたしたちの齢でスクール水着を海で着てたら変態よ」
「マジ!?」
「あ、海水浴といえば――」

 結局あやしい円盤だのUMAだのの類が姿を見せることはなかった。
 そのため京子と鈴鹿は行く予定もない海の話題に終始し、不審な黒服の男が運転する黒い乗用車が笹岡邸の前をなんども往復していたことに、すぐに気がつくことはなかった。





『昭和●●年、関東ローム層から出土した石器の発見によって●●の地にも今から約二万年以前の無土器時代に狩猟と漁業を主とした民がいた事実が認められました。
奈良・平安時代になると海岸線が後退し、米づくりのための新田開発がおこなわれ――。
江戸時代になると徳川氏の支配下となり、はじめて検地が行われました。その後、さかんに開墾され農村地帯として繁栄を――』

「へぇ、けっこう歴史のあるとこなんだな。このあたりって」

 中津川学園、エントランスホールには郷土の歴史を語るパネルや物が展示されていて、ちょっとした資料館のような装いになっていた。

「お、この古い地図すげー!」

 春虎が興奮気味に食いついたのは縄文時代の東京周辺を描いた古地図だ。
まるでフィヨルドのように入江が入り組んでいて、 深い部分まで海水が入り込んでいる。陰陽塾のある渋谷や陰陽庁のある秋葉原は海の底だ。

「縄文時代以降、関東の海岸線は後退しましたが、江戸時代に開拓されるまで、かなり
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