EX回:第31話(改2)<外洋へ>
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って、お前たちの戦いぶりが手に取るように分かった」
機内の艦娘たちは苦笑した。
「ついでに言えば今と未来の戦術の違いもな」
「さすが技術参謀。そこまで見ますか」
意外に夕張さんが合いの手を入れる。
軽く頷いて参謀は続ける。
「要するに今、急務なのは元居た我々の時代に一刻も早く帰ることだ。それは……」
「来る!」
急に寛代が叫んだ。
「なに?」
次の瞬間。副操縦士が何かを叫んだ。
同時に機体が進路を変え至近距離で何かが爆発。耳をつんざくような轟音と衝撃波で機体が激しく揺れる。
「奇襲っ、何かに掴まって!」
機長が叫ぶ。
だが、ほぼ同時に全員が衝撃に備える体勢になる。そこは軍人だ。こう言う事態になると反射的に体が反応する。
幾度も爆破音と、衝撃波が襲う。
機体は左右に旋回を繰り返しつつ回避行動を取る。その度に機体は激しく傾き、艦娘たちは必死に手すりや椅子につかまる。
近くのパイプを掴みながら技術参謀は言う。
「チッ、油断していた。この時代でも外洋は敵の勢力圏かっ!」
私は命令する。
「動ける者は銃座へ向かえ!」
「はい!」
攻撃が弱まった瞬間を見計らってバラバラと艦娘たちは銃座へ走る。
攻撃作戦など立案していないからフル装備ではないだろうが、この機体にも最低限の武装はあるはずだ。
「ぽいっ、ぽい!」
訳の分からない台詞を吐きながら夕立も後部へ走っている。なるほど、あの子は非常時に萌えるタイプか……と思った。
私は窓の外を見た。やはり深海棲艦だが……その機体が数機、確認できる。
「単なる斥候か?」
私が呟くと別の窓から参謀も言う。
「本格的な攻撃部隊ではないな」
間もなく後部から激しい機銃の発射音が響き機体が振動する。
「ぽいぃーっ!」
振り返ると後部の銃座で金髪を振り乱した夕立が敵機を狙っていた。
(……絶対にあいつは前の地上戦で病みつきになってる)
私は境港市での地上戦を思い出した。
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