暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第四十二話 妹達の誤解その十三

[8]前話 [2]次話
「あんた達までこう言って」
「いや、本当にね」
「先輩が言われる通りかなって思って」
「お姉ちゃんなら出来るんじゃない?」
「どっちかになったら?」
「だからね」 
 妹達が一番知っている筈なのにこう言うからです、私はむっとした顔で二人に言いました。
「私はそういうことには興味ないの」
「他のお仕事というかこの教会ね」
「この教会継ぐのね」
「それしかないっていうか」
 私は眉を顰めさせて妹達に言いました。
「私は長女じゃない」
「三人姉妹のね」
「一番上よね」
「だからよ」
 この立場は変わらないからです。
「それは決まってるから」
「そこでそう言うがね」
「お姉ちゃんの融通の利かなさなのよね」
「何ていうかね」
「子供の頃からこうなのよね」
 妹達は私を見てにこにことしていました、そのうえでの言葉です。
「もう姉妹の中で一番こうで」
「家族の中でもね」
「変に真面目で融通が利かなくて」
「頑固なのよね」
「そこがまた可愛くて」
 阿波野君は妹達に続いて言いました。
「先輩だけれどね」
「あっ、じゃあもう決まりですね」
「先輩的にはそうだったらいいですね」
「じゃあ宜しくお願いしますね」
「応援してますから」
「有り難うね、頑張るからね」
 勝手に三人で和やかにお話しています。
「宜しくね」
「はい、こちらこそです」
「宜しくお願いしますね」
「何のお話してるのよ、とにかくね」
 私は三人にあらためて言いました、何のお話かわからないまま。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ