第四十二話 妹達の誤解その十三
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「あんた達までこう言って」
「いや、本当にね」
「先輩が言われる通りかなって思って」
「お姉ちゃんなら出来るんじゃない?」
「どっちかになったら?」
「だからね」
妹達が一番知っている筈なのにこう言うからです、私はむっとした顔で二人に言いました。
「私はそういうことには興味ないの」
「他のお仕事というかこの教会ね」
「この教会継ぐのね」
「それしかないっていうか」
私は眉を顰めさせて妹達に言いました。
「私は長女じゃない」
「三人姉妹のね」
「一番上よね」
「だからよ」
この立場は変わらないからです。
「それは決まってるから」
「そこでそう言うがね」
「お姉ちゃんの融通の利かなさなのよね」
「何ていうかね」
「子供の頃からこうなのよね」
妹達は私を見てにこにことしていました、そのうえでの言葉です。
「もう姉妹の中で一番こうで」
「家族の中でもね」
「変に真面目で融通が利かなくて」
「頑固なのよね」
「そこがまた可愛くて」
阿波野君は妹達に続いて言いました。
「先輩だけれどね」
「あっ、じゃあもう決まりですね」
「先輩的にはそうだったらいいですね」
「じゃあ宜しくお願いしますね」
「応援してますから」
「有り難うね、頑張るからね」
勝手に三人で和やかにお話しています。
「宜しくね」
「はい、こちらこそです」
「宜しくお願いしますね」
「何のお話してるのよ、とにかくね」
私は三人にあらためて言いました、何のお話かわからないまま。
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