第二章
[8]前話
真希と家族の家にお邪魔した時に真希にプレゼントをした、すると。
真希はその靴下、冬用の赤と白の厚い生地の靴下を受け取ってすぐに彼女に満面の笑みでお礼を言った。
「有り難うございます、大切にします」
「ええ、履いてみてね」
「明るくて可愛くて」
その靴下を見ての言葉だ。
「とても暖かそうですね」
「そう思ってね」
「プレゼントしてくれるんですね」
「可愛くあったまってね」
「わかりました」
「僕もね」
兄もいた、その彼もだった。
真希にプレゼントをした、それは靴下だったが。
白いポイントもない靴下を見てだ、真希は兄に少しぶすっとした顔になってそのうえでこう言った。
「何、この靴下」
「いや、学校に履いていく為のね」
「靴下っていうの」
「学校に履いていく靴下ってそうじゃない」
「白字でポイントがあっても一つのね」
「そういうのじゃないと駄目じゃない」
「うちの中学校は確かにそうよ」
それはその通りと認める真希だった。
「そうした靴下じゃないと駄目よ」
「校則でそう決まってるね」
「そうだけれど」
「だからなんだけれど」
「学校用の靴下はもう十着持ってるわよ」
真希は兄にむっとした顔で返した。
「それこそね」
「えっ、そんなに持ってるんだ」
「そうよ」
こう返した。
「それこそね」
「そうだったんだ」
「だからね」
「いらなかった?」
「貰っておくわよ」
戸惑う兄にまた言った。
「それでお礼も言ってあげるわよ」
「そうなんだ」
「そうよ・・・・・・有り難う」
目を逸らして顔を赤くさせて兄に言った。
「靴下。若菜さんと同じだけね」
「そう言ってくれるんだ」
「言ってあげたわよ、あと大事にするから」
このことも忘れないというのだ。
「明日早速履いてあげるからね」
「それじゃあね」
「ええ、じゃあ後はお二人でね」
兄とその彼女に言った。
「仲良くね」
「うん、じゃあね」
「これからね」
「そういうことでね、私お部屋に戻るから」
貰った二着のそれぞれの靴下を手にしての言葉だ。
「またね」
「晩御飯の時にね」
「一緒に食べてあげるわよ」
兄を見上げて告げてだった、真希は自分の部屋に戻った。二人特に兄からプレゼントを貰ったその顔はにこにことしていた。
兄からのプレゼント 完
2017・11・23
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