暁 〜小説投稿サイト〜
DOREAM BASEBALL 〜ラブライブ〜
できる子
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入ったのは大きい。

(はう・・・おーるど?ハウルの動く城?)

意味のわからないところに着地しつつボールを投じる。次もやや真ん中より、これを4番打者は打ちにいく。打球はサード正面。サードベース付近にいたにこが強烈なこの打球をさばくと、そのままベースを踏み、二塁へ投じる。この日セカンドに入っている希がベースに入り2アウト。彼女はジャンピングスローで一塁へ送球、海未が限界まで伸びて捌く。

「アウト!!」

ギリギリのタイミングだったが、塁審の腕が上がる。窮地を救うトリプルプレー。このプレーに満員の球場は大盛り上がりだ。

「ナイスにこちゃん!!」
「希!!よく入れたわね!!」

三塁を踏んでホームではなく二塁に投げることを選択したにこ。中間守備からベースに戻っていた希。双方のプレーに称賛の声を浴びせるナイン。

「で、凛。答えは?」

ベンチ前で盛り上がっている選手たちを見ながら、剛の非常な問いが襲い掛かる。凛は笑顔から一転表情を曇らせると、ゆっくりと口を開いた。

「あ・・・あいどんとのーいんぐりっしゅ・・・」
「よし、いいだろ」
「「「「「それでいいの!?」」」」」

あまりにも適当すぎる採点に全員が声を大にする。一方知る限りの英語を使った凛は相手に満足してもらったと思っているようでかなり嬉しそう。

(ごちゃごちゃ考えすぎなんだよな、でもこれで少しは落ち着けるだろう)

初めてのマウンドで緊張していたこと、どう投げればいいのか悩んでいたこと、これで凛は制球を乱し四球を連発した。だから一度行動と思考を切り離させて、シンプルに戦わせるためにあのような問題を出したのだ。

(でもこれで伝令1回使っちまった。あと2回て足りるだろうか・・・)

凛と同じように顔が青ざめてきている剛。この心配を大きく裏切る投球を凛が見せることを、彼はまだ知らない。





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