できる子
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アウト一塁だがサインを出すことはしない。ここからは音ノ木坂学院のスラッガートップ2。彼女たちなら打ってくれると信じて送り出す。
カキーンッ
その予想通り快音を響かせてくれた少女たち。結局初回、3点を取り守備に付く。マウンドに立っているのは小柄なショートヘアの少女。
(凛を頼むぞ、穂乃果)
緊張でぎこちない凛と彼女に声をかけるキャッチャーを見て手に汗をかいている指揮官。見るからに緊張感を漂わせている彼に、ベンチに残っている3人が声をかける。
「先生、大丈夫ですか?」
「そういえば、先生の高校時代もこういうことはあったんですか?」
「まぁ、下級生が投げてくれたんだけどな」
戦力的に野手が選手をする機会はあまりなかった東日本学園。それでも当然エースを温存するなら控え投手が大舞台で投げたことはある。
「その時も上手くいったんですよね?」
「いや、失敗したよ」
「「「え?」」」
投球練習をしている凛を見てかなり不安そうな剛。この判断は吉と出るか凶と出るか、ゆっくり見守ることにした。
「まぁ、こうなるかもとは思ってたけど・・・」
塁上全てを埋め尽くす走者。バックスクリーンのスコアボードのランプは1つも点灯していない。
「ヒデコ、伝令頼む」
マウンド上に集まる内野陣。その中心にいる凛は顔を強張らせていた。
「お待たせ」
「ヒデコ、剛さんはなんて?」
伝言を受け取ってマウンドにやって来たヒデコの次の言葉を待つ。彼女がそれを伝える前に、このピンチを作り出してしまった少女が口を開く。
「やっぱり凛にピッチャーは無理だよ!!今からでも代わって欲しいニャ!!」
泣きそうな表情で懇願する凛の言葉を聞いて絵里が励ましの言葉をかけようとする。しかし、それを遮ると、ヒデコは伝令を伝える。
「How old are you?」
「「「「「はい?」」」」」
突然の英語に訳がわからずにいる内野陣。ヒデコはそんなことなど関係なく言葉を続ける。
「守備が終わったら答えられるようにだって、以上」
そうしてベンチへと戻っていくヒデコ。一体何がしたかったのかわからず呆然としている。
「もういいかね?」
「は!!はい!!」
何がなんだかわからないまま守備に付く音ノ木坂。ノーアウト満塁、大ピンチなのに、内野手には緊張感がない。
(えっと・・・はうってなんだっけ?)
よりによって1番苦手の英語の問題を出されたことで困惑した表情の投手。彼女は心ここにあらずのまま投げると、ストライクが真ん中ではあるが入った。
「ナイスボール凛ちゃん!!」
ここまで四球3つで満塁にしてしまっただけに、初球か
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