できる子
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前日
「えぇ!?凛がピッチャー!?」
病院の前で翌日のスタメンを聞いた穂乃果たち。その中で最重要ポジションを言い渡された凛は大きな声を出していた。
「あぁ。前々から考えていたが、ここはもうお前に投げてもらうしかない」
凛の高い身体能力、並外れた体力、何事にも動じない精神力。これは投手をするのに最適と言っても過言ではないほど適正していると言える。
「ちょっと待ってよ。別に凛じゃなくてもいいじゃん。絵里ちゃんとか!!」
「絵里を動かすとショートを守れる奴がいない。にこも同じだ」
「だったら真姫ちゃんは!?」
「ヴェェ!?」
「真姫ちゃん背も高いしバッティングもいいし!!真姫ちゃんで決まり!!」
「拒否!!」
「ニャニャ・・・」
ピッチャーはバッティングもいい選手が多い。その理由は純粋に能力が高いからだが、真姫の場合それは当てはまらない。
「今すごく失礼なこと考えたわよね?」
「ソンナコトナイゾ」
勘が鋭い真姫に不意を突かれ思わず片言になる。冷たい視線が突き刺さる中剛は凛を説得しようとする。
「このチームなら投げれるとしたらお前しかいない。何も1試合投げ抜けとは言ってないんだ。最低3回、できることなら5回くらい投げてくれればいい。頼む」
無理なお願いをしているのは重々承知している。彼は頭を下げると、凛は困惑の表情を浮かべた。
「でも・・・凛は・・・」
「意外ね、あんたなら進んで受けると思ったけど」
「凛ちゃん、引込み思案なところがあるから」
なかなか受け入れられない凛とそれを見守ることしかできない穂乃果たち。すると、絵里が凛の手を取る。
「凛、私たちもあなたならできると思うわ」
「絵里ちゃん・・・」
「皆が信じる自分を信じて」
凛は全員の顔を見回す。彼女たちは不安げな表情の少女に笑みを見せると、彼女は顔をひきつらせつつも絵里の手を握り返す。
「わかったよ、絵里ちゃんがそういうなら」
「凛ちゃん!!」
一大決心をしてマウンドに上がることになった凛。それを受けて、全員の表情はより引き締まっていた。
「星空凛・・・1年生でポジションはセカンド。右投げ左打ちで一塁到達タイムは今大会でもっとも速い4.2秒。守備範囲も広いことから、相当身体能力が高いと思われます」
西村の隣に座るスコアラーがこれまでのデータからマウンドに上がった凛の情報を伝える。それを聞いた彼は、整列を終えてベンチ前に集まっている音ノ木坂ナインことμ'sを見下ろす。
「純粋に身体能力で選んだか、はたまた星空に投手としての何か可能性を見出だしたか・・・」
ここまで登板がないのは広い守備範囲を生かせるセカンドに専
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