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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
輪舞
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は、自身の未来を願ってくれているのだと感じ、目頭が熱くなる。

 前奏が少しずつフェードアウトしていく。そして――Aqoursは一斉に歌い出した。

 未来を照らしたい。そのための光になろう。そんな歌詞に、夜絵の瞳から涙が零れ落ちた。


 思えば今日のライブの曲は、どれも未来や夢、希望を歌った曲ばかりだった。それは偶然なのか、それとも夜絵のために用意されたのか。

 夜絵は都合のいいように後者だと受け取る。彼女達の粋な計らい。自身のワガママで実現した今日のライブは、夜絵にとって最高の思い出となる。



 全ての曲から力をもらった。


 元気をもらった。


 勇気をもらった。


 希望をもらった。


 未来をもらった。


 夢をもらった。



 今日のライブで、たくさんのものをAqoursからもらった。身体中にそれらが行き渡り、夜絵は生きていたいと強く願う。

 これだけたくさんのものを彼女達からもらっておいて、そう易々と死ねるわけがない。

 そこには以前あった投げやりな感情がすっかりと消え失せていた。一度は死を受け入れ、残りの人生を謳歌しようと思った。だけど今は、もっと長く生きていたいと願っている。

 もっと彼女達と一緒に過ごしたい。彼女達のいく末をこの目で見届けたい。そんな想いが強くなるばかりだった。


 夜絵の瞳に、今まで以上の光が宿った。






 曲が終わった。夜絵は精いっぱいの拍手を、ステージに立つAqoursに送る。自分のために今日ライブをしてくれた彼女達には、感謝してもしきれない。


「アンコール! アンコール!」


 夜絵が思いっきりそう叫ぶ。その目からは涙が流れ出していた。だけど、夜絵は満面の笑顔を浮かべている。

 夜絵からのアンコールを受け、Aqoursの面々は顔を見合わせる。



 そして――。




「それじゃあ最後に一曲――」





 ステージに立つ九人が、夜絵を見つめた。その視線に夜絵は深く頷く。彼女達の意図は、言葉にせずとも夜絵に伝わっていた。






「Aqours――」






 千歌の合図。


 十人の声が重なった。







『――サンシャイン!!』







 アンコールの一曲が始まった。









***





 アンコールの曲が終わり、ライブは幕を閉じた。


 予定より時間が押してしまったライブ。夜絵はその余韻に浸る間も無く体育館を出ると、駐車場で待っていた両親の車に乗り込み、浦の星女学院を去った。

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