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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
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っとこう……ボロボロで寂れた感じ? 音ノ木坂が音楽に力を入れてる学校だったから、田舎の高校の音楽室は……ね?」
「……とりあえず、夜絵が田舎に酷い偏見を持っていることは分かったわ」
思ったことを率直に口に出してしまう夜絵に、梨子は肩を落とした。歯に衣着せぬ物言いは夜絵の特徴であるのだが、このような言動には音ノ木坂にいた頃から肝を冷やすことが多かった。
それが夜絵の良いところであり悪いところでもあるのだが、梨子はそんな夜絵に対して初めから好印象を抱いたのだ。音ノ木坂にいた頃と変わらない夜絵の言動に、梨子は少しばかり懐かしさを感じる。
「梨子の練習もあるから、さっさと始めよっか」
「そうね、曲は何にする?」
「いつもの!」
「分かったわ」
短いやり取りで互いの意思疎通を済ませると、梨子はピアノの前の椅子に座って、適当な鍵盤を弾きながら指を慣らして準備をする。夜絵はピアノの横に立ち、発声練習をして喉を慣らしていく。
そして、互いに顔を見合わせて頷き合った。
梨子がピアノで伴奏を始めると同時に、夜絵が歌い出す。二人の息がピッタリと合った完璧な歌い出しだった。
それは、二人が音ノ木坂で毎日のように合わせた曲であり、二人が初めて奏でた曲でもあった。
梨子の奏でるピアノの綺麗な音色と、夜絵の透き通った歌声は、まるでそれが一つの楽器のように噛み合っている。
互いに楽しそうな表情で、時々顔を見合わせては笑顔を浮かべながら、コンチェルトは続いていく。
途中から夜絵の歌う主旋律に、梨子が副旋律を歌い綺麗なハーモニーが完成する。
開かれた窓から風が吹き込み、カーテンを揺らす。波打ったカーテンの隙間から漏れる日差しが、まるで二人の演奏を後押しするように照らしていた。
ピアノと歌声の合わさる音は窓から漏れ出し、浦の星に響き渡る。グラウンドで練習する運動部の生徒達は、時折足を止めては音の漏れる音楽室を見上げる。浦の星で初めて行われた梨子と夜絵の演奏を耳にした生徒は多かった。
それは窓から漏れ出したものを耳にする生徒だけではなかった。
音楽室の入口の扉。そこから中の様子を伺う蜜柑色と薄墨色の人影がある。二人だけの世界に入り込んでいる梨子と夜絵は、その存在に気づかないまま演奏に夢中になっていた。
やがて梨子のピアノの演奏が終わり、夜絵の歌声がピタリと止まった。
「私やっぱり、梨子と一緒に歌うの好きだな」
「私も、この時間が楽しいわ」
演奏を終えた梨子と夜絵が、顔を見合わせてながら笑い合う。その表情はお互いに充実感で満たされていた。
「でも疲
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