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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
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とそう呟いた千歌。曜と梨子が腕を組んで考え始めるが、そう簡単に良案は出てこない。

 できればすぐにでも夜絵にはAqoursに加入してほしいのだが、このままではずっと説得する日々が続きそうだ。


「ねぇ千歌ちゃん。夜絵のこと、私に任せてくれないかな?」


 梨子が言う。それを聞いて千歌が机に預けていた身体をグッと起こした。


「上手くできるか分からないけど、夜絵のことは私が一番知っているから。それに、夜絵と二人で話したいこともあるし」


 なにか説得できる材料があるわけではない。だけど夜絵のことはこの三人の中だと梨子が一番よく知っている。音ノ木坂にいた頃の友人なのだから当然だ。

 そして、二人で話したいこともある。これも事実であった。その真意は千歌と曜の二人には計り知れないが、今は梨子の言葉に賭けてみるしかない。


「わかった、梨子ちゃんに任せるよ」

「ありがとう。私も夜絵と一緒にスクールアイドルしてみたいから、頑張るね」

「うん、よろしくね!」


 こうして千歌は、夜絵をAqoursに加入させる一件を梨子に託したのであった。



 *



 放課後。部室へ直行すると言う千歌と曜を見送った梨子は、クラスメイト達と楽しげに談笑している夜絵のもとへと向かった。


「夜絵、ちょっといい?」


 梨子がそう声をかけると、夜絵は会話をとめて梨子に向き直った。


「梨子! なになに、部活はどうしたの?」

「ちょっとね。また音ノ木坂にいた頃みたいにピアノ弾きたくなったから、今から夜絵も一緒にどうかなって」

「本当!? 行く行く!」


 梨子の誘いに夜絵は身を乗り出す。音ノ木坂にいた頃、梨子と仲良くなってからは放課後を音楽室で過ごすことがほとんどだった。

 梨子が千歌達に言った夜絵と話したいこと。二人で過ごす場所として、梨子は真っ先に音楽室が思い浮かんだ。

 もちろん、夜絵とまた一緒にピアノを弾きたいというのも本心である。


「ありがとう。それじゃあ音楽室に行きましょう」

「うんうん! レッツゴー!」


 教科書類を鞄に急いで詰め込んで、夜絵と梨子は共に音楽室へと向かうのであった。






 放課後の音楽室は、ノスタルジックな光景だった。誰一人として人がいない教室のなか、ポツリと置かれたグランドピアノが存在を主張している。換気のために開いたままの窓から、時折風が吹き込みカーテンを揺らす。

 グラウンドで練習する運動部の掛け声が絶え間なく聞こえる音楽室に、梨子と夜絵は訪れた。


「なんだか、音ノ木坂の音楽室とあまり変わらないね」

「どんな音楽室を想像してたのよ」

「も
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