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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
再会
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「うん、全然大丈夫だよ! 叩かれたところが少し痛むだけだから!」


 気丈に振る舞って何も心配ないとアピールする。すると梨子は途端に泣きそうな顔になって、夜絵の肩を両手で掴んだ。


「そうじゃなくて……っ! 身体、本当に大丈夫なの?」


「大丈夫だよ」


 それまでの明るい口調から一変、夜絵は冷めた口調でそう言い放つ。まるでそれ以上踏み込んではいけない気がして、梨子は夜絵の肩からそっと手を離した。

 夜絵は梨子を見つめる。揺れる瞳で自分を捉える一番の親友。


「……梨子、おいで」


 夜絵は起き上がってベッドの上で正座すると、自身の太ももをポンポンと叩いて梨子に促した。

 梨子はコクリと小さく頷き、夜絵の寝ていたベッドに侵入する。そしてゴロンと寝転がり、夜絵の太ももに自身の頭を預けた。

 膝枕。?が朱に染まっている梨子は、夜絵の身体とは反対側に視線を向けている。


「……ばかっ」

「あははっ、ごめんね……梨子」


 梨子の頭を撫でながら夜絵は詫びる。カーテンで仕切られた空間、二人だけの世界がそこには広がっていた。


「でも、本当に大丈夫だから。心配しないで」

「……うん」

「よしよし、いい子いい子」

「バカにしないで」

「してないって」

「してるもん」

「だからしてないって……あっ」


 途端に夜絵が梨子を撫でる手を止めて、素っ頓狂な声をあげる。カーテンで仕切られた二人だけの空間。そのカーテンの隙間から、顔を覗かせている人物がいた。



「昨日の……確か……そう! 千歌ちゃんだ!」


「千歌ちゃん!?」



 カーテンの隙間から千歌は中の様子を伺っていた。それに気づいた梨子が、慌てて夜絵の太ももから顔を上げて体勢を整える。


「えっと、そろそろ練習始まるから梨子ちゃん呼びにきたんだけど……ご、ごゆっくり!」

「待って千歌ちゃん! これは違うの!」


 梨子の叫びも虚しく、ドアを開閉する音が千歌の足音と共に聞こえた。千歌の様子は明らかに勘違いをしていた。梨子は溜息をひとつついて肩を落とした。


「ごめん夜絵。千歌ちゃんも呼びに来たから、部活の練習しに行くね」

「練習って、ピアノの?」

「ううん、ピアノじゃないの……」


 てっきりピアノの練習だと思っていたので、首を横に振って否定する梨子を見て、夜絵は驚きを隠せなかった。

 夜絵の知っている梨子は、ピアノにしか興味がないような印象だったので、何か他のことをしていると聞いて大きく目を見開いた。


「………ル」

「えっ?」


 何やら恥ずかしそうに口にした梨子だったが、声が
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