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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
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考えれば考えるほど抜け出せなくなりそうで、思考を断ち切ろうと千歌はブンブンとかぶりを振った。
「夜絵ちゃん……」
クラスメイト達に囲まれる夜絵に再度視線を向ける。笑顔でクラスメイトと楽しそうに話す夜絵を見て、千歌の口から思ったことがポツリと漏れた。
「なんだか、すごくキラキラしてる」
キラキラと輝く夜絵の姿を、千歌はただ離れた場所から眺めているだけだった。
クラスメイト達による、夜絵への怒涛の質問攻めは未だに続いていた。された質問にただ答えるだけではなく、そこから会話を広げながら、夜絵は今日から共に過ごすクラスメイト達と仲睦まじい雰囲気を作り出していた。
「夜絵ちゃんの趣味ってなに?」
「趣味かぁ……色々あるけど、一番好きなのは歌うことかな」
「歌うのっていいよねー」
「私、夜絵ちゃんの歌聴いてみたい!」
「私も私も!」
「そうだね、今度カラオケ行こっか!」
すっかりクラスの一員となった夜絵は、早くもクラスメイトと遊びに行く約束をする。それを真近で見ていた梨子は、思わず嘆息を漏らした。
椎名夜絵とは、梨子が音ノ木坂学院の一年生だった頃のクラスメイト。ピアノばかりしていつも一人だった梨子とは違って、夜絵は常にクラスの中心にいた。
それは今でも変わらない。梨子がとりわけ仲の良いと言える友人は千歌と曜の二人だけなのに対し、夜絵の周りには気が付けばいつも人がたくさんいる。
だけど去年のある日から、夜絵と梨子は仲良くなりだした。およそ半年の時間を共に過ごしていくうちに、二人は親友と呼べるまでの関係になった。
「ねえ夜絵ちゃん、梨子ちゃんとどんな関係なの?」
「梨子ちゃんに会いにきたって言ってたよね!」
「そういえばそうだ!」
「私も気になる!」
一人のクラスメイトの発言から、夜絵と梨子の関係を追求する雰囲気が作られる。皆がただの好奇心で尋ねていることをいち早く察知した夜絵は、椅子に座る梨子の背後へゆっくりと移動した。
「そうだねぇ……」
真後ろに立つ夜絵がどのような表情をしているのか、梨子は知らない。自分と夜絵は親友、きっと夜絵もそう答えるに違いないと梨子は踏んでいた。
しかし、夜絵は悪戯な笑みを浮かべていた。口角が釣り上がっていてまるで悪人のような顔をしている。
「私と梨子の関係……」
二人を取り囲むクラスメイト達が、夜絵から放たれようとしている言葉に耳を傾ける。期待に満ちた視線で、ゴクリと喉を鳴らす音も聞こえる。
そんな期待に応えようと、夜絵は――。
「こんな関係……かな」
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