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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
遭遇
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から曜の声がする。いつの間にやら千歌の後ろには、曜だけでなく他のメンバーが集まっていて、千歌の持つ梨子のスマホに映るものを一目見ようとしていた。


「梨子さんも、一緒に写ってる方も、音ノ木坂の制服ですわね」

「わぁ……綺麗な人……」


 何とか千歌の近くに陣取って写真を見ることに成功した黒澤ダイヤ、ルビィの黒澤姉妹が、梨子と親し気に写る金髪の少女を見て、そのような感想を口にした。

 それから梨子のスマホは全員の手に回っていき、メンバー達は全員がその写真を見ることができた。その様子を見て梨子はガックリと肩を落とし、諦めて眺めているしかなかった。


「その人は、私が音ノ木坂にいた頃の……友達なの」

「梨子ちゃん……」


 どこか懐かしむように言葉を紡ぐ梨子。そんな梨子を見て何か思うところがあったのだろうか、千歌がどこか切なさを感じさせる声で梨子の名を呟いた。かと思いきや……。




「音ノ木坂に友達いたんだね!」




「は、はぁ!? 友達ぐらいいるに決まってるでしょ! 千歌ちゃんは私を何だと思ってるのよ!」



 心外な言葉が千歌の口から放たれて、梨子は相当な剣幕で千歌に詰め寄った。普段あまり見ない梨子の怒っている姿に、千歌はもちろん蚊帳の外にいる他のメンバーも思わずたじろいでしまう。


「いやぁ……前に聞いた話だと、梨子ちゃんいつもピアノの練習ばかりしてたって……だからてっきり友達いなかったんだと……」

「そんなわけないでしょう! まったく千歌ちゃんは……!」

「あはは……ごめんごめん。でも梨子ちゃんに音ノ木坂の友達がいて良かったよ! なんか安心したっていうか、嬉しいっていうか……よく分かんないけど、今はそんな感じ!」


 そう言って千歌はにっこりと満面の笑みを浮かべる。その屈託のない笑みに、先ほどまで怒り心頭だった梨子は絆されていく。



「やっぱり、ヘンな人」



 千歌の笑顔に釣られるように、梨子はニッコリと微笑んだ。


「済んだみたいだね。それじゃあ練習再開するよー」


 ずっと二人のやり取りを見守っていた果南がパンパンと手を二回叩き、彼女達は練習を再開した。








 その日の夜。スクールアイドルの練習を終え、旅館『十千万(とちまん)』を営む自宅へと帰宅した高海千歌は、二人の姉と共に夕食を済ませると、少し散歩してくると言って夜の内浦へと繰り出した。

 舗道の所々にポツリと位置する街灯と、うっすらと雲に隠れた月明かりのみによる僅かな光源を頼りに、千歌は歩みを進めていく。夜になると少し冷え込むので、海側から時折吹きつける潮風が心地良い。

 また自然豊かな場所なので、鈴
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