おまけ 宴会
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かった。
*
居酒屋を後にした輝穂たち一行は、先ほどの会話で出たように西木野家にやって来た。
西木野家に向かうタクシーの中、せっかくだから映像に残そうという提案が輝穂から出て、他の3人もそれに賛同した。
これもお酒の力を借りないと出来ない事。今から歌って踊ろうとする元Lyraの3人は翌朝になるときっと後悔するだろう。
「不本意だけど、私が撮影係をやってあげるわ」
「ありがとうね、えみ」
「曲はこのCDプレーヤーから流して頂戴」
輝穂が撮影係を買って出てくれたえみに礼を言い、瑞姫がCDプレーヤーとビデオカメラをえみに渡す。
「準備はいい?」
えみは横並びになる3人に問う。輝穂、飛鳥、瑞姫は高校時代Lyraとして使用した衣装に着替えていた。
その問いに彼女たちは頷いてみせる。
「それじゃあいくわよ――せーのっ!」
『ミュージック、スタート!!』
西木野邸にて一夜限りの、ささやかなLyraの復活ライブが開催された。
*
西木野真姫は自室での勉強中、何やらリビングの方が騒がしい事に気がついた。
パパは仕事で遅くなると言っていて、ママは友達と晩ごはんを食べてくると言っていた。つまり今家にいるのは自分だけの筈。
何事だろうと忍び足でリビングへと向かう真姫。慎重に、足音を立てないように歩みを進めていく。
「……聴いた事のない曲ね」
リビングから聞こえるメロディに真姫は首を傾げる。誰のものかは定かではないが微かに歌声も混じっている。
「少し覗いてみましょう」
自分の家のリビングで誰が何をしているのか気になった真姫は、そっと扉を開けて中を覗く。
「……ッ!?」
目に飛び込んできたその光景に、真姫は反射的に目を逸らし絶句する。それはとても信じられない光景だった。
「あれ……ママよね。あと理事長と穂乃果のママもいたわ」
自分の母親と、学校の理事長、友人の母親が華やかな衣装を着て、曲に合わせて歌って踊っていた。しかもノリノリで。
「きっと疲れているのよ、そうよ真姫。勉強のしすぎね。あれは幻覚よ」
真姫は自分自身にそう言い聞かす。普段はしっかりしている母親がアイドルのように歌って踊っているなんてイミワカンナイ。
もう一度、扉の隙間からリビングの様子を伺う。
再び見ても、目に映るのは母親と友人の母親達がアイドルのように歌って踊る姿だった。
「……寝よう」
力なくそう呟いて真姫は自室に戻って
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